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タイムリミット365
第3章 365日の時間
洋服に着替えた私と輝翔は、家の周りを散歩していた。
緑が生い茂る小道を歩き、海岸へと続く道を歩く。
汐風が頬をくすぐる。
わぁーっ!
なんか自然の香りが、たくさんする。
すごく気持ちいい。
「どうだ?リフレッシュするだろ?」
「うん!!」
「なんかお前、今の感じのがいいな。さっきまでも元気じゃねーか!って思ってたけど、やっぱ疲れてたんだな。今のが、顔色とかすげーいい。」
「え?あっ、ありがと…。」
見上げると、輝翔の眼鏡越しの優しい瞳にドキッとする。
それを知られるのが、恥ずかしくて、すぐに瞳をそらした。
やだっ…。
何かすごくドキドキする。
何であんな優しい瞳で、私の事見てんの?
もう失恋とかして、傷つきたくないのに…。
恋なんて、したくないのに…。
急に黙り込んだ私の手を、輝翔が突然、ギュッと握った。
特に何も言う事もなく。
でも、力強く握られたその手から、輝翔の優しさが伝わった。
ありがとう…。
私は無言で、輝翔の手を強く握り返した。