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タイムリミット365
第4章 目覚めていく体

晴れた海で岩場に座り、私は狙っていた。
今晩のおかずを…。
ジーッと見つめる先には、プカプカと浮かぶ浮き。
捕まえてやるぅーっ!!
見えない魚と格闘する事、数時間。
「よーしっ!きたぁーっ!!!!」
勢いよく竿を上げた瞬間!
ポチャンッ!!
……っ!!!
魚が針からはずれて、海に落ちた。
「釣れたと思ったのになぁ。くそーっ!釣れるまで絶対帰らないから!!」
数日前まで、死のうとしてたのに。
今、私はこんな些細な事に夢中になっていた。
魚との格闘が、こんなに楽しいなんて…。
しかも、こんなに熱中してるなんて…。
私は気付かない内に、毎日を自分の好きなように自由に楽しむ事を、覚えていた。
生きる事が、この世界に存在している事が、面倒臭いなんて、思わなくなっていた。

