この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第4章 目覚めていく体

「さぁ、ゆっくり晩酌でもしよう!!」
「うん!!」
さっきまで生きていた新鮮な魚は、やっぱり美味しい。
そして日本酒がよく合う。
こんな風に誰かと晩酌するのは、初めてかもしれない。
家でゆっくり呑むのもいいなぁ…。
日本酒もすごく美味しいし。
「ねぇ、輝翔。この日本酒って、何て名前の日本酒なの?」
「気になるか?」
何となく聞いた私の質問に、輝翔が真顔で返してきた。
何か、悪い事でも聞いたのかな?
黙り込んでしまった私に、輝翔が続けて言った。
「旨い酒呑んで、旨い!だけで良くないか?その名前とか、作られた場所とか、知らなくたって、旨い物は旨い。ただそれだけで、いいんじゃないか?って俺は、思っただけだ。」
「そうだね。それは私もそう思う。いい物はいい。それだけだよね。」
「だよなっ。それでいいんだって、俺は思うよ。面倒な奴って、思ったらごめんな。よしっ!ほら、もっと呑もうぜ。羽音が釣った魚、すげー旨いし!」
そう言って、輝翔が楽しそうに笑うから、私もそれでいいって思えた。
輝翔を面倒な奴なんて思わなかった。
でも、やっぱり思った通り。
年齢とか輝翔の事を聞くのは、きっと嫌がるはずだ。
やっぱり聞かなくて良かった…。
輝翔が何歳だろうと、そばに居てくれさえすれば、今の私はそれで良いんだから…。

