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タイムリミット365
第4章 目覚めていく体

「さぁ、ゆっくり晩酌でもしよう!!」

「うん!!」


さっきまで生きていた新鮮な魚は、やっぱり美味しい。

そして日本酒がよく合う。

こんな風に誰かと晩酌するのは、初めてかもしれない。

家でゆっくり呑むのもいいなぁ…。

日本酒もすごく美味しいし。


「ねぇ、輝翔。この日本酒って、何て名前の日本酒なの?」

「気になるか?」


何となく聞いた私の質問に、輝翔が真顔で返してきた。

何か、悪い事でも聞いたのかな?

黙り込んでしまった私に、輝翔が続けて言った。


「旨い酒呑んで、旨い!だけで良くないか?その名前とか、作られた場所とか、知らなくたって、旨い物は旨い。ただそれだけで、いいんじゃないか?って俺は、思っただけだ。」

「そうだね。それは私もそう思う。いい物はいい。それだけだよね。」

「だよなっ。それでいいんだって、俺は思うよ。面倒な奴って、思ったらごめんな。よしっ!ほら、もっと呑もうぜ。羽音が釣った魚、すげー旨いし!」

そう言って、輝翔が楽しそうに笑うから、私もそれでいいって思えた。

輝翔を面倒な奴なんて思わなかった。

でも、やっぱり思った通り。

年齢とか輝翔の事を聞くのは、きっと嫌がるはずだ。

やっぱり聞かなくて良かった…。

輝翔が何歳だろうと、そばに居てくれさえすれば、今の私はそれで良いんだから…。


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