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タイムリミット365
第5章 禁断の部屋
私は本をもとの場所に戻すと、また部屋を見渡した。
中央に置かれた大きな机の上は綺麗に片付いている。
あれ?
引き出しが開いてる…。
中見ちゃダメだよね?
でも、見たい!
もうここまで見てしまったら、どこまで見ても一緒だよね!
私はそう自分に言い聞かせて、少しの罪悪感を感じながら、引き出しの中を覗いた。
……っ!!何?これ…!
中には病院の名前が入った薬の袋に、薬が何錠も入っていた。
輝翔、どこか体調が悪いの…?
そんな風には見えないけど…。
どんな内容の薬なのかはわからないけど、毎日飲んでいるみたい。
ただの風邪だよね…?
大丈夫なんだよね…?
私は急に不安になっていった。
3ヶ月前までは自分の存在が無くなればいいと思っていたのに、今は輝翔の存在が無くなったらという不安に襲われていた。
輝翔…。
貴方の事知れば知るほど、わからなくなっちゃうよ…。
真実を貴方の口から聞く事なんて、出来ないんだからさ…。
やっぱりこの部屋に、入るんじゃなかった…。
後悔だけを残して、私は輝翔の書斎を後にした。