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タイムリミット365
第5章 禁断の部屋
「ただいま、羽音?どこだ?」
輝翔の声が一階から聞こえた。
私はあれから何もやる気が起きなくて、ずっと部屋のベッドで横になっていた。
どういう顔をして輝翔と会っていいのか、わからない…。
輝翔に会いたくない…。
階段を昇る輝翔の足音が聞こえて、私は布団をかぶって顔を隠した。
部屋の前で足音が止まって、トントンとドアがノックされたけど、私は無言で布団に潜り込んだ。
「羽音?入るぞ。」
輝翔の気配を近くに感じると、そーっと布団が剥がされた。
「羽音?やっぱり一人で留守番が寂しかったんだろ?」
「…………。」
人の気も知らないで、冗談ぽく言う輝翔にムッとする。
輝翔は悪くはないんだけど…。
見るなと言われた部屋に勝手に入って、色々と見てしまった自分が悪いんだけど…。
「おい!どうした?調子悪いのか?」
「…………。」
輝翔に背を向けたまま、丸まって返事をしない私に、とうとう輝翔の声が低くなった。