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タイムリミット365
第2章 謎の男
「おい!お前さ、さっきの話聞いてた?それとも、俺の事シカトしてんの?」
まただ!!
またしても、この男が私に話掛けてきた。
あぁーっ!!イライラするっ!!
私はさっきから屋上に座り、煙草をふかすその男の近くまで行き、文句を言った。
「邪魔しないで!!私はもう死にたいの!見たくないなら、今すぐここから出て言って!!」
早口で大きな声で、言った私に彼はクスクスと笑い出した。
「お前さ、面白い女だな。そんだけ威勢がいいなら、死ぬ必要なんてないんじゃねーの?」
「なっ…!何言ってんの?アンタに関係ないでしょ?」
「あぁ、確かに俺には関係ないけどさ。だいたい死のうとしてる奴なんて、すでに覇気がない奴ってのがセオリーだろ?お前は、そんなんじゃないから、何か笑える。」
「決め付けないでよ!私は死にたいの!!」
「ふーん。死にたいんだぁー。」
相変わらず煙草をふかし、バカにしたような言いぐさのこの男に、段々腹がたってきた。
見ず知らずの、今会ったばっかの男にバカにされるなんて…。
あぁ…。
何か死ぬのも、バカらしくなってきたわ…。
さっきまで、あんなに死ぬ事しか考えてなかったのに。
それさえも、どうでも良くなるほど、気が抜けた。