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タイムリミット365
第6章 向き合う事
あの屋上では、もう死にたくないな。
輝翔の事きっと思い出しちゃうから…。
私は気付くと裸足のまま、フラフラと海へむかっていた。
もう何も考えたくない。
あの綺麗な海に身を沈めよう…。
せめて、少しでも幸せを感じられたあの場所に身を沈めたい。
綺麗な海に足をつけて、ほんの少しの間でも、楽しかった日々を思い出す。
やっぱり、輝翔を好きになれて良かったかな。
海を見つめてそう感じる。
だって、こうしてこの海や空が綺麗だと感じる事ができる自分がいるから。
あの屋上からの景色は、綺麗でもなんでもなかった。
あの日とは違うこの気持ちを持てたのは、輝翔のおかげだから、輝翔を好きになれて良かった。
でも、私は貴方のように、自由に気ままに生きられない。
そして、貴方にいつかさよならを言われるのが、不安で仕方ないの。
だから、幸せなこの時間の最中に、このタイムリミットがなくならないうちに逝かせてください。
輝翔、短い時間だったけど、素敵な夢をありがとう。
輝翔、愛してる。
最後に、貴方に逢えて良かった。