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タイムリミット365
第7章 輝翔の真実
トントン。
部屋のドアがノックされて、輝翔がドアの前で話し掛ける。
「羽音?準備出来たか?」
「うん。もう出れるよ。」
「玄関で待ってるから、すぐ来いよ。」
「わかったぁ。」
着替えを済まして玄関へ行くと、輝翔がスーツに着替えて待っていた。
いつも輝翔が出掛ける時のように、書類やら何やらたくさん荷物を持っている。
「遊びに行くんじゃないの?」
不安気に声を掛けた私に、輝翔はクスッと笑った。
「悪いようにはしないから、平気だ。とりあえず、ついて来いよ。お前が知りたかった事、教えてやるから。」
そう言って、私を車に乗せた。
助手席で見ているこの光景を、私は知っている。
この道を通るのは、今日が初めてではない。
輝翔と出会ったあのビルへの道程だ。
輝翔は、なぜ私をそこへ連れて行くのだろう?
そう思いながら、運転する輝翔の横顔を私は、不安気に眺めていた。
まさかまた、二人で死のうとか言うんじゃ…。
そんな不安が頭をよぎっていた。
輝翔…。
貴方は一体何を考えているの?
私が知りたかった事は、あのビルにあるの?