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タイムリミット365
第8章 少しの変化

「おい、こらっ!勝手に人を死人扱いするなよっ!」
ペシッと頭を叩かれ、顔を上げると、輝翔が苦笑していた。
その顔を見てホッとしたのも束の間、輝翔が私を抱き締めたままクルッと回転して、私の体の上に輝翔が重なった。
「勝手に俺を死なせるなんて、羽音もひでぇーなっ。」
「輝翔…。」
冗談半分に楽しそうに言う輝翔とは真逆に、泣きそうになる私。
ごめん…。
今、そういうのに付き合えない。
だって、本気で輝翔の呼吸が止まったのかと思ったから…。
涙目になる私に、輝翔が切ない瞳を向けた。
「大丈夫だよ。いきなりお前の前から消えたりしないから。」
「うん、ごめん…。」
「心配させて、ごめんな。」
そう言って、頬に優しくキスしてくれた輝翔の唇は、やけに冷たかった。
やっぱり今日は、体調が良くないんだ…。
自分の体の事は、自分が一番良くわかる。
きっと輝翔も、体調が悪い事をわかっているのに…。

