この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第25章 【二十五話】調査開始です! が。
*
キッチンに降りると、だれもいなかった。だれかに会ったらどんな顔をすればいいのか分からなかったのでホッとしたけれど、結局それは、先延ばしでしかない。
そういえば寝室に由臣がいなかったけれど、どこにいるのだろうか。
疑問に思ったけれど、美哉は六人分の朝食を作り、用意をしているところへ、汗だくになった五人が一斉にキッチンに入ってきた。
「あ……お、おはようございます」
「おはよう、美哉ちゃん。もー、由臣ったら、信じられないんだよ!」
とは、昨日、なにもなかった伊吹。
美哉と会うまでは女装が通常だったのが、ここのところは外出時のみ女装していて、ここにいるときは男性の格好でいることが多い。今も長い髪を一つに結んでいたけれど、ジャージ姿だった。
「一階のトレーニングルームでいきなり組み手をするなんて言って叩き起こされて、もー、ぼくたち、コテンパンだよ」
「…………八つ当たりですか」
美哉は最後にキッチンに入ってきた由臣を睨み付けた。
「違う」
「違いませんよね。なにか文句があるのなら、私に直接、言ってください」
「言ったところで言い負かされる」
「情けないですね」
由臣と美哉の冷たい言い合いに、御庭番は固まっていたけれど、美哉が視線を逸らしたことで、終わりを告げた。
「先にご飯にしてください。せっかく温かいのが冷めてしまいます」
「……おう」
吟太が動き始め、次に勝千代が動き、朝食の準備が粛々と進められた。
キッチンに降りると、だれもいなかった。だれかに会ったらどんな顔をすればいいのか分からなかったのでホッとしたけれど、結局それは、先延ばしでしかない。
そういえば寝室に由臣がいなかったけれど、どこにいるのだろうか。
疑問に思ったけれど、美哉は六人分の朝食を作り、用意をしているところへ、汗だくになった五人が一斉にキッチンに入ってきた。
「あ……お、おはようございます」
「おはよう、美哉ちゃん。もー、由臣ったら、信じられないんだよ!」
とは、昨日、なにもなかった伊吹。
美哉と会うまでは女装が通常だったのが、ここのところは外出時のみ女装していて、ここにいるときは男性の格好でいることが多い。今も長い髪を一つに結んでいたけれど、ジャージ姿だった。
「一階のトレーニングルームでいきなり組み手をするなんて言って叩き起こされて、もー、ぼくたち、コテンパンだよ」
「…………八つ当たりですか」
美哉は最後にキッチンに入ってきた由臣を睨み付けた。
「違う」
「違いませんよね。なにか文句があるのなら、私に直接、言ってください」
「言ったところで言い負かされる」
「情けないですね」
由臣と美哉の冷たい言い合いに、御庭番は固まっていたけれど、美哉が視線を逸らしたことで、終わりを告げた。
「先にご飯にしてください。せっかく温かいのが冷めてしまいます」
「……おう」
吟太が動き始め、次に勝千代が動き、朝食の準備が粛々と進められた。