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恋の行方を探してください【完結】
第25章 【二十五話】調査開始です! が。
朝食の片付けはいつものように御庭番に頼んだ美哉は、部屋に戻り、スカートにしたら、由臣からナニをされるか分かった物ではなかったのもあり、動きやすいパンツスーツに着替えた。
着替えた後、三階の事務所に行くと、スーツに着替えた由臣が待っていた。昨日も出掛けたけれど、シャツとチノパンというラフの格好であったけれど、今日は濃いグレイのスーツに薄いピンクのシャツにピンクのネクタイという少し派手なコーディネートなのに、どうしてだろう、由臣の顔が濃い目なのもあり、妙に似合っていた。
それを見た美哉は、ドキリとした。
「美哉、カードは持ったか」
「はい、持ちました」
「荷物はカード以外、特に要らない」
「……はい」
「今日はまず、ジュエリー・コバヤカワに行く」
「はい」
「そこで槇英太郎の話を聞いた後、小早川食品に行く」
「はい」
「今日は槇英太郎の評判と、高木小夜の評判を調べに行く」
「はい」
「質問は」
「特にないです」
「そうか、それなら行くぞ」
昨日までの由臣であれば、美哉の手を取ると引っ張って無理矢理でも連れて行っただろうが、今日はそれがなかった。
一夜が明け、美哉の昨日の痴態に愛想を尽かしたのかもしれない。
自分がそう仕向けたにもかかわらず、由臣は変わらず手を伸ばしてくると思っていたので、予想外の由臣の行動に、胸がずきりと痛んだ。
だけどその胸の痛みは気のせいだと言い聞かせ、美哉は由臣の背中を追いかけた。
外に出れば、事務所の前に紺色のセダンが止まっていて、後部座席には川村が待っていた。
「おはようございます、美哉さま、由臣さま」
「おはようございます」
「あぁ」
「由臣さんっ」
「なんだ」
「どうしてあなたは朝の挨拶もできないんですか!」
「……おはよう」
「そう、それでいいんです」
着替えた後、三階の事務所に行くと、スーツに着替えた由臣が待っていた。昨日も出掛けたけれど、シャツとチノパンというラフの格好であったけれど、今日は濃いグレイのスーツに薄いピンクのシャツにピンクのネクタイという少し派手なコーディネートなのに、どうしてだろう、由臣の顔が濃い目なのもあり、妙に似合っていた。
それを見た美哉は、ドキリとした。
「美哉、カードは持ったか」
「はい、持ちました」
「荷物はカード以外、特に要らない」
「……はい」
「今日はまず、ジュエリー・コバヤカワに行く」
「はい」
「そこで槇英太郎の話を聞いた後、小早川食品に行く」
「はい」
「今日は槇英太郎の評判と、高木小夜の評判を調べに行く」
「はい」
「質問は」
「特にないです」
「そうか、それなら行くぞ」
昨日までの由臣であれば、美哉の手を取ると引っ張って無理矢理でも連れて行っただろうが、今日はそれがなかった。
一夜が明け、美哉の昨日の痴態に愛想を尽かしたのかもしれない。
自分がそう仕向けたにもかかわらず、由臣は変わらず手を伸ばしてくると思っていたので、予想外の由臣の行動に、胸がずきりと痛んだ。
だけどその胸の痛みは気のせいだと言い聞かせ、美哉は由臣の背中を追いかけた。
外に出れば、事務所の前に紺色のセダンが止まっていて、後部座席には川村が待っていた。
「おはようございます、美哉さま、由臣さま」
「おはようございます」
「あぁ」
「由臣さんっ」
「なんだ」
「どうしてあなたは朝の挨拶もできないんですか!」
「……おはよう」
「そう、それでいいんです」