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恋の行方を探してください【完結】
第27章 【二十七話】恋の行方=結婚?
男性はそういうと、机から鍵を取りだした。
「隣の作業場は普段は鍵を掛けています」
「やはり持ち出し防止?」
「そうです。デザインやモックを持ち出されるのは別になんともないんですけど、実際の商品も見本で置かれているのでね」
隣の部屋はガラスの壁になっていて、中の様子を見ることができるようになっていた。扉もガラス製で、隠すものがなにもない状態になっていた。ガラス越しに見た部屋は、所狭しと色々なものが置かれているようだった。
男性は鍵を開けると、美哉と由臣に入るように促し、男性も入った。
「ここがデザイン部の要です」
ガラスの壁側にはなにも置かれていなかったけれど、残りの三面には天井まで届く大きなスチール製のラックが置かれていて、所狭しと色んなものが詰め込まれていた。そして部屋の奥の一角に、一際大きな金庫。
美哉がそちらに視線を向けたことに気がついた男性は、金庫に触れながら説明をした。
「この中には、持ち出されると困る商品見本が入っています」
「ほう」
「ここを開けるには、社長の許可が要りますし、鍵は管理課が持っているため、わたしでも開けることができません」
「厳重だな」
「はい。そうでもしないと、持ち出されては困りますから」
中になにが入っているのか興味をそそられたが、今はそれではなく、新ブランドだった。
「前は木でモックを作っていたのですが、今は3Dプリンタがあるおかげでずいぶんと楽になりました」
そういって男性は棚から適当なものを手に取り、物があふれかえった作業台を無理矢理開けて、乗せた。男性が出してきたのは、宝石箱。手のひらに乗るくらいの大きさで、形は丸かった。
「こういう廉価品も作っています」
これで廉価品なのか。
「恋の行方は……ああ、ありました。棚の上の方ですね」
「隣の作業場は普段は鍵を掛けています」
「やはり持ち出し防止?」
「そうです。デザインやモックを持ち出されるのは別になんともないんですけど、実際の商品も見本で置かれているのでね」
隣の部屋はガラスの壁になっていて、中の様子を見ることができるようになっていた。扉もガラス製で、隠すものがなにもない状態になっていた。ガラス越しに見た部屋は、所狭しと色々なものが置かれているようだった。
男性は鍵を開けると、美哉と由臣に入るように促し、男性も入った。
「ここがデザイン部の要です」
ガラスの壁側にはなにも置かれていなかったけれど、残りの三面には天井まで届く大きなスチール製のラックが置かれていて、所狭しと色んなものが詰め込まれていた。そして部屋の奥の一角に、一際大きな金庫。
美哉がそちらに視線を向けたことに気がついた男性は、金庫に触れながら説明をした。
「この中には、持ち出されると困る商品見本が入っています」
「ほう」
「ここを開けるには、社長の許可が要りますし、鍵は管理課が持っているため、わたしでも開けることができません」
「厳重だな」
「はい。そうでもしないと、持ち出されては困りますから」
中になにが入っているのか興味をそそられたが、今はそれではなく、新ブランドだった。
「前は木でモックを作っていたのですが、今は3Dプリンタがあるおかげでずいぶんと楽になりました」
そういって男性は棚から適当なものを手に取り、物があふれかえった作業台を無理矢理開けて、乗せた。男性が出してきたのは、宝石箱。手のひらに乗るくらいの大きさで、形は丸かった。
「こういう廉価品も作っています」
これで廉価品なのか。
「恋の行方は……ああ、ありました。棚の上の方ですね」