この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第27章 【二十七話】恋の行方=結婚?
言われた棚の上に視線を向けると、『恋の行方』と書かれた紙が貼られた段ボール箱があった。あの中に入っているのだろう。
男性が背伸びをして取ろうとしていたけれど、届かないようだった。イスを探しているようだったけれど、由臣がそれを見かねて、ここでようやく美哉の手から離すと棚の上から段ボール箱を取った。
「ああ、すみません」
「いや、問題ないんだが。一つ、確認させてほしい」
「はい、なんでしょう」
「今、新規デザインで動いているものはどれくらいある?」
「数……ですか?」
「数でも種類でもなんでもいいんだが」
「今、ご覧いただいた廉価品の宝石箱が色と形を変えて数種類作ることになっています。それ以外は『恋の行方』くらいですね。あとは……そちらにある商品の改良版くらいですね」
商品の改良版と言ったものは、廉価品の宝石箱の横に置かれているようだった。
「『恋の行方』が上に置かれていた理由は、やはり新規プロジェクトだからか」
「え……いえ。ここの横に隙間がありますが、そこに置いてあったはずなんだが……」
男性が首をひねっている横で由臣は作業台の上に段ボール箱を置き、にやりと不敵な笑みを向けてきた。
段ボール箱に肘を掛けて不敵な笑みを浮かべている由臣を見て、美哉の心臓がどきどきと音を立て始めた。
……け、決して、かかかかか、かっこいい、だなんて思ってないんだから! 違う! 絶対に違う! 本来、置かれていた場所から取りにくい場所に段ボール箱が移動していた意味を考えてどきどきしているだけなんだから!
と美哉はだれにともなく言い訳を心の中でして、それから由臣から視線を外した。
「しかも、ご丁寧に封までしてある。ところで部長、この段ボール箱で間違いはないですよね?」
「あぁ、間違いない。その段ボール箱の端にシミがあるだろう? 茶色の。それはわたしが間違ってコーヒーを掛けてしまったものなんだ」
男性が背伸びをして取ろうとしていたけれど、届かないようだった。イスを探しているようだったけれど、由臣がそれを見かねて、ここでようやく美哉の手から離すと棚の上から段ボール箱を取った。
「ああ、すみません」
「いや、問題ないんだが。一つ、確認させてほしい」
「はい、なんでしょう」
「今、新規デザインで動いているものはどれくらいある?」
「数……ですか?」
「数でも種類でもなんでもいいんだが」
「今、ご覧いただいた廉価品の宝石箱が色と形を変えて数種類作ることになっています。それ以外は『恋の行方』くらいですね。あとは……そちらにある商品の改良版くらいですね」
商品の改良版と言ったものは、廉価品の宝石箱の横に置かれているようだった。
「『恋の行方』が上に置かれていた理由は、やはり新規プロジェクトだからか」
「え……いえ。ここの横に隙間がありますが、そこに置いてあったはずなんだが……」
男性が首をひねっている横で由臣は作業台の上に段ボール箱を置き、にやりと不敵な笑みを向けてきた。
段ボール箱に肘を掛けて不敵な笑みを浮かべている由臣を見て、美哉の心臓がどきどきと音を立て始めた。
……け、決して、かかかかか、かっこいい、だなんて思ってないんだから! 違う! 絶対に違う! 本来、置かれていた場所から取りにくい場所に段ボール箱が移動していた意味を考えてどきどきしているだけなんだから!
と美哉はだれにともなく言い訳を心の中でして、それから由臣から視線を外した。
「しかも、ご丁寧に封までしてある。ところで部長、この段ボール箱で間違いはないですよね?」
「あぁ、間違いない。その段ボール箱の端にシミがあるだろう? 茶色の。それはわたしが間違ってコーヒーを掛けてしまったものなんだ」