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恋の行方を探してください【完結】
第27章 【二十七話】恋の行方=結婚?
のぞき込んでみると、箱の大きさに対して、中身はアクセサリーを買ったら入れてもらえるビロード張りの細長いケースと四角いケースが入っているだけ。試作品というけど、一種類だけなのだろうか。
「デザインは槇以外も考えることになっていたけれど、コンセプトが難しいからか、難航していて、これ一つだけ先にできていて、まずは試しにと作ってみたので一種類ずつなんです」
由臣は箱の中に手を入れ、まずはネックレスが入っていると思われる長い箱を取り出した。そして開けると、中から出てきたのは少し不思議な感じがするデザインのネックレスだった。
「……蔦?」
「そうです。建物に這っている蔦です。これですが、鎖部分に丸カンをかませて一つずつ、葉を配置しています」
「あの、丸カンってなんですか」
聞き慣れない言葉に質問すると、部長は説明してくれた。
「ここの部分を見てください」
部長が指で指し示した部分を見ると、鎖と蔦を繋ぐ丸い金具がついていた。
「これを丸カンといいます」
「へー」
見たことのある部品だけど、名前を初めて知った。
「試作品を見て、槇は『違う、これじゃない』とつぶやいていて、それからなにかずっと悩んでいました」
違う? どういうことだろう。
「この中にクロッキー帳を入れていたはずですが……ああ、ありますね」
そういって段ボール箱の底から学生時代に使ったことがあるクロッキー帳が出てきた。それを開いてみると……。
「うわぁ」
最初のページには緻密に描かれた蔦の葉が何枚も。次のページには茎と葉と描かれていて、それが数ページ。次にデザイン画と思われる物がたくさん描かれていて、半分くらいのところで白紙となっていた。
デザイン案を見る限りでは試作品は良くできていると思うのだが、槇の中のイメージと試作品が違うということなのだろうか?
「ところで、なんで蔦なんだ?」
「それはわたしも疑問に思い、槇本人に聞いたのですが、曖昧な返事しか聞けず、結局は真相は未だに分からないんです」
「デザインは槇以外も考えることになっていたけれど、コンセプトが難しいからか、難航していて、これ一つだけ先にできていて、まずは試しにと作ってみたので一種類ずつなんです」
由臣は箱の中に手を入れ、まずはネックレスが入っていると思われる長い箱を取り出した。そして開けると、中から出てきたのは少し不思議な感じがするデザインのネックレスだった。
「……蔦?」
「そうです。建物に這っている蔦です。これですが、鎖部分に丸カンをかませて一つずつ、葉を配置しています」
「あの、丸カンってなんですか」
聞き慣れない言葉に質問すると、部長は説明してくれた。
「ここの部分を見てください」
部長が指で指し示した部分を見ると、鎖と蔦を繋ぐ丸い金具がついていた。
「これを丸カンといいます」
「へー」
見たことのある部品だけど、名前を初めて知った。
「試作品を見て、槇は『違う、これじゃない』とつぶやいていて、それからなにかずっと悩んでいました」
違う? どういうことだろう。
「この中にクロッキー帳を入れていたはずですが……ああ、ありますね」
そういって段ボール箱の底から学生時代に使ったことがあるクロッキー帳が出てきた。それを開いてみると……。
「うわぁ」
最初のページには緻密に描かれた蔦の葉が何枚も。次のページには茎と葉と描かれていて、それが数ページ。次にデザイン画と思われる物がたくさん描かれていて、半分くらいのところで白紙となっていた。
デザイン案を見る限りでは試作品は良くできていると思うのだが、槇の中のイメージと試作品が違うということなのだろうか?
「ところで、なんで蔦なんだ?」
「それはわたしも疑問に思い、槇本人に聞いたのですが、曖昧な返事しか聞けず、結局は真相は未だに分からないんです」