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恋の行方を探してください【完結】
第27章 【二十七話】恋の行方=結婚?
言われて見てみると、茶色の段ボール箱の端はさらに濃い色が点点とついていた。
「紙にも少し掛かっていますね」
「あぁ」
「ここに飲み物の持ち込みは?」
「もちろん、駄目だ。この箱をここから会議室に持ち出して、プレゼンの時に使ったのだよ」
「そのときにかけてしまったと?」
由臣の質問に部長はうなずいた。
「それでは、中身は間違いなく『恋の行方』の試作品であるということだな」
と確認した後、由臣は開けても問題ないかと部長に確認をしていた。
それにしても、新ブランドっていうからもっとたくさんの試作品があるかと思ったのに、それほど大きくない段ボール箱に入ってしまうほどのものしかなかったってこと? でも、アクセサリーだったらそんなにかさばらないか。さっき、廉価品だという宝石箱を見たから大きな物というイメージが先行してしまっているだけかもしれない。
「第一弾は指輪とネックレスだったか?」
「はい。ネックレスに関してはプロジェクトのメンバーは全員一致だったのですが、指輪については賛成と反対とで半分に割れました」
「それはどうして?」
「『恋の行方』という、取りようによっては別れを意味するようなブランドなのに、指輪というのはどうだろうと」
やはりブランド名にそういう意味も含まれているのか。なんだか不穏なイメージもあるとは思っていたのだ。
「槇はそれへの反論に、第一弾のテーマは恋のゴールを示すデザインにしたから問題ないと言い、無理矢理、この二つにしたんです」
恋のゴールを示すデザイン……?
「なるほど。まあ、その二つの試作品なら、この箱が軽いのにも納得だ」
「え、軽いんですか」
棚の上から降ろすとき、あまり重そうには見えなかったけれど、軽いのか。
「じゃあ、開けて真相を確認しようか」
由臣は段ボール箱に貼られていたガムテープをばりばりっと音を立てて剥がし、ふたを開けた。
「中、なにか入ってますね」
「ケースか」
「紙にも少し掛かっていますね」
「あぁ」
「ここに飲み物の持ち込みは?」
「もちろん、駄目だ。この箱をここから会議室に持ち出して、プレゼンの時に使ったのだよ」
「そのときにかけてしまったと?」
由臣の質問に部長はうなずいた。
「それでは、中身は間違いなく『恋の行方』の試作品であるということだな」
と確認した後、由臣は開けても問題ないかと部長に確認をしていた。
それにしても、新ブランドっていうからもっとたくさんの試作品があるかと思ったのに、それほど大きくない段ボール箱に入ってしまうほどのものしかなかったってこと? でも、アクセサリーだったらそんなにかさばらないか。さっき、廉価品だという宝石箱を見たから大きな物というイメージが先行してしまっているだけかもしれない。
「第一弾は指輪とネックレスだったか?」
「はい。ネックレスに関してはプロジェクトのメンバーは全員一致だったのですが、指輪については賛成と反対とで半分に割れました」
「それはどうして?」
「『恋の行方』という、取りようによっては別れを意味するようなブランドなのに、指輪というのはどうだろうと」
やはりブランド名にそういう意味も含まれているのか。なんだか不穏なイメージもあるとは思っていたのだ。
「槇はそれへの反論に、第一弾のテーマは恋のゴールを示すデザインにしたから問題ないと言い、無理矢理、この二つにしたんです」
恋のゴールを示すデザイン……?
「なるほど。まあ、その二つの試作品なら、この箱が軽いのにも納得だ」
「え、軽いんですか」
棚の上から降ろすとき、あまり重そうには見えなかったけれど、軽いのか。
「じゃあ、開けて真相を確認しようか」
由臣は段ボール箱に貼られていたガムテープをばりばりっと音を立てて剥がし、ふたを開けた。
「中、なにか入ってますね」
「ケースか」