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恋の行方を探してください【完結】
第28章 【二十八話】『恋の行方』のデザイン

作業場を見せてもらった後、由臣はまたデザイン部に戻り、槇の使っていたパソコンを少し触っていたようだった。
「槇は仕事を辞める気でいたのか、それとも見られたらマズイ証拠があったのか、パソコンが初期化されている」
「え……」
「そうなのです。槇が出社してこなくて困っていたので、槇のパソコンを立ち上げたのですが……その有様で……」
「デザイン画のデータは?」
「共有サーバに置いていたのですが、消されていました」
「ふぅむ。槇がデータを持ち出した痕跡は?」
「調べたところ、USBデータにコピーして持ち出されていたのが判明しました」
それで小夜は、データの行方と槇の行方の両方を探すように依頼してきたのか。
「他に槇絡みで変わったことは?」
「あぁそういえば……。槇が出社してこなくなったので、なにか手がかりはないかとメールのログを調べてもらったのですが、日下部物産の社長令嬢と何度かメールのやりとりをしているログが残っていました」
「なんだって?」
「メールの内容は、何月何日の何時に電話をするから、必ず出るようにという電話を事前にかける通知のみでした」
「うちは日下部物産と取引はないな……不自然だな」
「はい」
「それで、だれか電話の内容を聞いた者は?」
「残念ながら、槇が一人のときを狙って掛けてきていたようでして、だれも聞いていないのです」
「ここの部署は槇を入れて五人か?」
「はい」
「この部屋から人がいなくなるということは?」
「他の部署との打ち合わせやお手洗い、お昼ご飯などでならあります」
「……昼飯時を狙えば、簡単に連絡は取れそうだな」
由臣は懐から手帳を取り出すと、なにか書き込みをしていた。
そこでようやく、由臣が探偵だったことを美哉は思い出した。
「それで、共有サーバに置いてあったデータは?」
「管理部に連絡して、半分くらいはサルベージされました」
「ふむ。そのデータ、見せてもらっても?」
「はい。ネットワークの……」
「槇は仕事を辞める気でいたのか、それとも見られたらマズイ証拠があったのか、パソコンが初期化されている」
「え……」
「そうなのです。槇が出社してこなくて困っていたので、槇のパソコンを立ち上げたのですが……その有様で……」
「デザイン画のデータは?」
「共有サーバに置いていたのですが、消されていました」
「ふぅむ。槇がデータを持ち出した痕跡は?」
「調べたところ、USBデータにコピーして持ち出されていたのが判明しました」
それで小夜は、データの行方と槇の行方の両方を探すように依頼してきたのか。
「他に槇絡みで変わったことは?」
「あぁそういえば……。槇が出社してこなくなったので、なにか手がかりはないかとメールのログを調べてもらったのですが、日下部物産の社長令嬢と何度かメールのやりとりをしているログが残っていました」
「なんだって?」
「メールの内容は、何月何日の何時に電話をするから、必ず出るようにという電話を事前にかける通知のみでした」
「うちは日下部物産と取引はないな……不自然だな」
「はい」
「それで、だれか電話の内容を聞いた者は?」
「残念ながら、槇が一人のときを狙って掛けてきていたようでして、だれも聞いていないのです」
「ここの部署は槇を入れて五人か?」
「はい」
「この部屋から人がいなくなるということは?」
「他の部署との打ち合わせやお手洗い、お昼ご飯などでならあります」
「……昼飯時を狙えば、簡単に連絡は取れそうだな」
由臣は懐から手帳を取り出すと、なにか書き込みをしていた。
そこでようやく、由臣が探偵だったことを美哉は思い出した。
「それで、共有サーバに置いてあったデータは?」
「管理部に連絡して、半分くらいはサルベージされました」
「ふむ。そのデータ、見せてもらっても?」
「はい。ネットワークの……」

