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恋の行方を探してください【完結】
第31章 【三十一話】父と同じセリフ

という由臣の言葉に従い、二人は建物に沿って出荷ゾーンへと向かった。
建物の横を歩いていると、加工ゾーンの音が響いてくる。さらには、いい香りが漂ってきて、お昼を食べてきたにもかかわらず、思わずお腹が鳴りそうになった。
「いい匂いがしますね」
「……そうだな」
会話はそこで途切れて、また黙々と歩いた。
出荷ゾーンに近づいて来たのか、トラックのバックするときの音が聞こえて来た。
「そこの横から中に入ろう」
由臣は建物の端にある鉄の扉を指さした。
「はい」
「このリーダーにカードを通せば扉が開くから」
「……チートですね、ほんと」
「そういう設定にしてあるからな」
由臣はジャケットからカードを取り出して、リーダーにカードを通した。ピッという音がした後、鍵が開いた音がした。
由臣は扉を開き、美哉をまず、中へ入れて、由臣も続いて入った。
するとそこは廊下で、外の喧噪とは打って変わって、静かだった。
「検品課は……と」
由臣は左右を見回した後、左へ向かった。
少し歩いて行くと、検品課というプレートが見えてきた。由臣は検品課の部屋の前のドアに立つと、ノックをせずに開けようとしていたので、美哉がまた止めた。
「由臣さん」
「……あぁ」
ドアノブから手を離し、由臣はドアをノックした後、思いっきり開いた。
中には何人か人がいたけれど、だれもこちらを見向きもしなかった。
由臣は近くにいた人を捕まえた。美哉の全身に、鳥肌がぞっと立ったが、由臣の後ろに隠れて、我慢した。
「若葉小屋の小早川なんだが、課長はいるか?」
「若葉小屋……? あの、失礼ですが、課長とお約束は……」
「してないが、あぁ、課長じゃなくてもいい。ここの課にカナヤマという人物はいるか?」
「金山さん、ですか? いますけど、彼女、ここのところずっと無断欠勤をしているみたいで、課長、むちゃくちゃ怒っていましたね」
「ふぅむ。無断欠勤というが、どれくらい来ていない?」
「さー。分からないですね。あ、課長、今、席に戻ってきたみたいですね。呼んできますね」
「あぁ、頼んだ」
建物の横を歩いていると、加工ゾーンの音が響いてくる。さらには、いい香りが漂ってきて、お昼を食べてきたにもかかわらず、思わずお腹が鳴りそうになった。
「いい匂いがしますね」
「……そうだな」
会話はそこで途切れて、また黙々と歩いた。
出荷ゾーンに近づいて来たのか、トラックのバックするときの音が聞こえて来た。
「そこの横から中に入ろう」
由臣は建物の端にある鉄の扉を指さした。
「はい」
「このリーダーにカードを通せば扉が開くから」
「……チートですね、ほんと」
「そういう設定にしてあるからな」
由臣はジャケットからカードを取り出して、リーダーにカードを通した。ピッという音がした後、鍵が開いた音がした。
由臣は扉を開き、美哉をまず、中へ入れて、由臣も続いて入った。
するとそこは廊下で、外の喧噪とは打って変わって、静かだった。
「検品課は……と」
由臣は左右を見回した後、左へ向かった。
少し歩いて行くと、検品課というプレートが見えてきた。由臣は検品課の部屋の前のドアに立つと、ノックをせずに開けようとしていたので、美哉がまた止めた。
「由臣さん」
「……あぁ」
ドアノブから手を離し、由臣はドアをノックした後、思いっきり開いた。
中には何人か人がいたけれど、だれもこちらを見向きもしなかった。
由臣は近くにいた人を捕まえた。美哉の全身に、鳥肌がぞっと立ったが、由臣の後ろに隠れて、我慢した。
「若葉小屋の小早川なんだが、課長はいるか?」
「若葉小屋……? あの、失礼ですが、課長とお約束は……」
「してないが、あぁ、課長じゃなくてもいい。ここの課にカナヤマという人物はいるか?」
「金山さん、ですか? いますけど、彼女、ここのところずっと無断欠勤をしているみたいで、課長、むちゃくちゃ怒っていましたね」
「ふぅむ。無断欠勤というが、どれくらい来ていない?」
「さー。分からないですね。あ、課長、今、席に戻ってきたみたいですね。呼んできますね」
「あぁ、頼んだ」

