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恋の行方を探してください【完結】
第32章 【三十二話】第一の死体

検品課を出て、建物を出ると、すぐ側に紺色のセダンが止まっていた。由臣は川村が運転席から降りてくるのを手で制して、後部座席に乗り込み、美哉も続けて乗り込んだ。
由臣は助手席に置いたノートパソコンを引き寄せると、開けながら川村に指示を出した。
「少し気になることがある。とりあえずすぐにここから出られるように門の前まで移動しておいてくれ」
「かしこまりました」
由臣はパソコンに視線を向けると、またなにやらキーをたたき出した。
「金山……金山果代(かなやま かよ)、契約社員か。住所は……ここから近いな。川村、今からいう住所に向かってくれ」
「はい」
由臣が告げた住所を聞いた川村は、カーナビに住所を入れて場所を確認すると、運転を始めた。
「金山さんのご実家に行くんですか」
「あぁ。確認したいことがある」
車はあっという間に金山が住むというアパートに到着した。
ポストで金山の住む部屋を確認すると、二〇一号室、二階のすぐの部屋のようだった。
由臣と美哉は二階に上がり、インターホンを鳴らしたが、音が鳴った様子がなかった。ノックをしても、反応がない。
由臣と美哉は顔を見合わせ、それから由臣は、スマートフォンを取りだすと、どこかに電話をかけ始めた。
「勝千代」
疑問に思っていると、由臣がそう一言告げて、だれにかけているか教えてくれた。
「勝千代、事件だ。捜査令状を五秒で取れ」
『由臣、いくらなんでもそれは無理だよ』
「いいから、今からいう住所二か所の令状を取れ」
といって、一件は金山の住所、もう一件は初めて聞く住所だったが、たぶんこちらは槇のマンションだろう。
「最初に言った住所は、俺がたずねて異変に気がついて勝手に開けたことにしてくれ」
『近くの警察官に向かわせるけど、できるだけ荒らすなよ』
「分かった、来るまでに撤退する」
由臣はそれだけ伝えると、スマホを片付けた。
「美哉はここにいろ」
「え、なんでですか」
「たぶんこの中に死体がある」
「……えっ」
「死体を見たいのなら、ついてきていいぞ」
「……遠慮します」
由臣は不敵な笑みを浮かべ、懐から白い手袋を取り出してはめると、ドアノブを回した。
すると、なんの抵抗を受けずにそれは回り、ドアが開いた。
「…………」
由臣は助手席に置いたノートパソコンを引き寄せると、開けながら川村に指示を出した。
「少し気になることがある。とりあえずすぐにここから出られるように門の前まで移動しておいてくれ」
「かしこまりました」
由臣はパソコンに視線を向けると、またなにやらキーをたたき出した。
「金山……金山果代(かなやま かよ)、契約社員か。住所は……ここから近いな。川村、今からいう住所に向かってくれ」
「はい」
由臣が告げた住所を聞いた川村は、カーナビに住所を入れて場所を確認すると、運転を始めた。
「金山さんのご実家に行くんですか」
「あぁ。確認したいことがある」
車はあっという間に金山が住むというアパートに到着した。
ポストで金山の住む部屋を確認すると、二〇一号室、二階のすぐの部屋のようだった。
由臣と美哉は二階に上がり、インターホンを鳴らしたが、音が鳴った様子がなかった。ノックをしても、反応がない。
由臣と美哉は顔を見合わせ、それから由臣は、スマートフォンを取りだすと、どこかに電話をかけ始めた。
「勝千代」
疑問に思っていると、由臣がそう一言告げて、だれにかけているか教えてくれた。
「勝千代、事件だ。捜査令状を五秒で取れ」
『由臣、いくらなんでもそれは無理だよ』
「いいから、今からいう住所二か所の令状を取れ」
といって、一件は金山の住所、もう一件は初めて聞く住所だったが、たぶんこちらは槇のマンションだろう。
「最初に言った住所は、俺がたずねて異変に気がついて勝手に開けたことにしてくれ」
『近くの警察官に向かわせるけど、できるだけ荒らすなよ』
「分かった、来るまでに撤退する」
由臣はそれだけ伝えると、スマホを片付けた。
「美哉はここにいろ」
「え、なんでですか」
「たぶんこの中に死体がある」
「……えっ」
「死体を見たいのなら、ついてきていいぞ」
「……遠慮します」
由臣は不敵な笑みを浮かべ、懐から白い手袋を取り出してはめると、ドアノブを回した。
すると、なんの抵抗を受けずにそれは回り、ドアが開いた。
「…………」

