この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第33章 【三十三話】楽しいひとときの後は
そういって見せてきたのは、ぼさぼさの肩くらいまでの長さの黒髪に、上目遣い、目の下のクマが濃い女性の写真。
「これが……金山さん?」
「そう。社員証の写真だね」
「勝千代もグループのデータベースにアクセスできるの?」
「できないと由臣の手伝いができないからね」
警視庁勤めなのに、御庭番も兼務って可能なのだろうかとちらりと思ったが、由臣が口を開いたことで質問の機会を逃した。
「それで、管理人には聞いてみたのか?」
「聞いたよ。そしたら、面白い証言を得られた」
「面白い……?」
「この金山、一ヶ月前くらいから槇のマンションに頻繁に通うようになったらしいんだ」
「……え?」
「マンションの管理人が金山から聞いたのは、一ヶ月後に結婚を控えているので、しばしば来ますが、よろしくお願いします、だって」
「……結婚?」
結婚をするのは、小夜と槇ではなかったのだろうか。思いもよらない話に、美哉は由臣の顔を見上げたが、由臣は片眉を上げただけだった。
「それは事実なのですか?」
美哉の質問に、勝千代は分からないと首を振った。
「槇に関しては、そちらの方が詳しいだろう」
「そうかもしれませんが……」
美哉が由臣を見ると、口を開いた。
「槇とつき合っているという、高木小夜からなら話は聞けている」
「高木小夜……?」
「槇と、結婚を前提にしたおつきあいをしているという女性だ」
「そんな女性がいるのに、どうして金山は一ヶ月後に槇と結婚すると管理人に嘘を言ったんだ?」
勝千代の呻きに、由臣はため息とともに吐き出すように口にした。
「それについては、仮定はあるんだが、あぁ、ここに来る前にトラットリア・まるこぽぉろに寄ってくればよかったな」
「え、お昼を食べたばかりなのに?」
「違う。高木小夜の証言を裏取りするんだよ。先週の金曜日に何かあって、今の状態になっているとしか思えないだろう」
「そう……ですね」
「とりあえず、槇の部屋を調べよう」
「これが……金山さん?」
「そう。社員証の写真だね」
「勝千代もグループのデータベースにアクセスできるの?」
「できないと由臣の手伝いができないからね」
警視庁勤めなのに、御庭番も兼務って可能なのだろうかとちらりと思ったが、由臣が口を開いたことで質問の機会を逃した。
「それで、管理人には聞いてみたのか?」
「聞いたよ。そしたら、面白い証言を得られた」
「面白い……?」
「この金山、一ヶ月前くらいから槇のマンションに頻繁に通うようになったらしいんだ」
「……え?」
「マンションの管理人が金山から聞いたのは、一ヶ月後に結婚を控えているので、しばしば来ますが、よろしくお願いします、だって」
「……結婚?」
結婚をするのは、小夜と槇ではなかったのだろうか。思いもよらない話に、美哉は由臣の顔を見上げたが、由臣は片眉を上げただけだった。
「それは事実なのですか?」
美哉の質問に、勝千代は分からないと首を振った。
「槇に関しては、そちらの方が詳しいだろう」
「そうかもしれませんが……」
美哉が由臣を見ると、口を開いた。
「槇とつき合っているという、高木小夜からなら話は聞けている」
「高木小夜……?」
「槇と、結婚を前提にしたおつきあいをしているという女性だ」
「そんな女性がいるのに、どうして金山は一ヶ月後に槇と結婚すると管理人に嘘を言ったんだ?」
勝千代の呻きに、由臣はため息とともに吐き出すように口にした。
「それについては、仮定はあるんだが、あぁ、ここに来る前にトラットリア・まるこぽぉろに寄ってくればよかったな」
「え、お昼を食べたばかりなのに?」
「違う。高木小夜の証言を裏取りするんだよ。先週の金曜日に何かあって、今の状態になっているとしか思えないだろう」
「そう……ですね」
「とりあえず、槇の部屋を調べよう」