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恋の行方を探してください【完結】
第34章 【三十四話】金曜日の修羅場

由臣に変わった途端、話が進み始めたのが分かった美哉は、自分が出すぎたことをやったことに気がついた。
「……すみません」
「どうしてそこで謝る?」
「由臣さんの態度がいつも失礼だから、相手に不快な思いをさせないようにと思って……」
「あぁ、そんなことを気にしていたのか」
「そんなことと言いますけどっ」
「下手に出ようが、偉そうに出ようが、探偵という仕事をしている以上、怪しまれるだけだ。むしろ、下手に出ると、軽く見られて話も引き出せない」
そういうものなのだろうかと思うけれど、美哉は今回の仕事が初めてであるので、キャリアのある由臣の言い分を信じることにした。
そうやって話をしていると、奥からオーナーと別の女性が出てきた。
「今日は早番だったけれど、金曜日はディナータイムに接客をしていた彼女がまだ残っていたから話は彼女から聞いてくれ」
「あぁ、ありがとう」
オーナーに預けていた写真を受け取り、接客をしたという女性とともに店の隅へと移動した。
「この男性に見覚えは?」
「あります。もー、ほんっとひどかったんですよ!」
「え?」
女性はオーナーが消えた途端、目をつり上げて訴え始めた。
「覚えているもなにも、金曜日のオープンと同時に女性と一緒に入店してきた、までは良かったんですよ。まあ、結構イケメンだったし、女性もきれいな人だったし、お似合いのカップルだなーと思っていたんですよ。それで、ちょうどこの窓際の席にご案内したんです」
「この店はなかなか予約が取れないと聞いていたが」
「えー、そうなんですよ。オーナーはあんなですけど、シェフはほんと、人がいいし、料理も上手だし、そのおかげで、お店の評判はいいんです。半年足らずで予約の取れない人気店になるとは思わなくって。お客さまはなかなか予約が取れないみたいで、申し訳なくて……」
「……すみません」
「どうしてそこで謝る?」
「由臣さんの態度がいつも失礼だから、相手に不快な思いをさせないようにと思って……」
「あぁ、そんなことを気にしていたのか」
「そんなことと言いますけどっ」
「下手に出ようが、偉そうに出ようが、探偵という仕事をしている以上、怪しまれるだけだ。むしろ、下手に出ると、軽く見られて話も引き出せない」
そういうものなのだろうかと思うけれど、美哉は今回の仕事が初めてであるので、キャリアのある由臣の言い分を信じることにした。
そうやって話をしていると、奥からオーナーと別の女性が出てきた。
「今日は早番だったけれど、金曜日はディナータイムに接客をしていた彼女がまだ残っていたから話は彼女から聞いてくれ」
「あぁ、ありがとう」
オーナーに預けていた写真を受け取り、接客をしたという女性とともに店の隅へと移動した。
「この男性に見覚えは?」
「あります。もー、ほんっとひどかったんですよ!」
「え?」
女性はオーナーが消えた途端、目をつり上げて訴え始めた。
「覚えているもなにも、金曜日のオープンと同時に女性と一緒に入店してきた、までは良かったんですよ。まあ、結構イケメンだったし、女性もきれいな人だったし、お似合いのカップルだなーと思っていたんですよ。それで、ちょうどこの窓際の席にご案内したんです」
「この店はなかなか予約が取れないと聞いていたが」
「えー、そうなんですよ。オーナーはあんなですけど、シェフはほんと、人がいいし、料理も上手だし、そのおかげで、お店の評判はいいんです。半年足らずで予約の取れない人気店になるとは思わなくって。お客さまはなかなか予約が取れないみたいで、申し訳なくて……」

