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恋の行方を探してください【完結】
第35章 【三十五話】真犯人
車内は妙な空気のまま、小早川食品の側までやってきた。
「先に勝千代が現場に着いているはずなんだ」
「勝千代がですか?」
「今から言う住所に向かってくれ」
由臣が告げた住所は、小早川食品の側のアパートだった。たぶんこちらは小夜の住んでいるところなのだろう。
川村がそちらへ向かい始めたところで、由臣のスマホが鳴った。勝千代からだった。
「なんだ」
『小早川食品を張ってる者から連絡があったんだが、高木小夜が早退したらしい』
「なに?」
『尾行させているが、どうやらアパートに戻ってこようとしているようだ』
「勘付かれたか」
『あ、高木小夜がアパートに到着した』
「そのまま見張っておけ。令状はあるんだろう?」
『ある』
緊迫した雰囲気に、美哉は機嫌を悪くしている場合ではないことに気がつき、頭を振って気分を入れ替えた。
小夜が住んでいるらしいアパートに近づくと、なんとなく物々しい空気が漂っていた。そして、由臣たちが乗っている車が止まると、勝千代が黒い車から降りて近寄ってきた。
「高木小夜は部屋に戻った」
「突入する準備は?」
「できている。アパートの管理人にも話は通してあるし、鍵も預かっている」
「それでは、行くぞ」
美哉と由臣と勝千代、そして警官が小夜の住む部屋の前まで来て、由臣がぼそりと呟いた。
「嫌な結末になってなければいいんだがな」
「……え?」
ドアの前に立った勝千代は、インターホンを鳴らしたが、やはり反応がない。
仕方がないので、鍵を開ければ、中からチェーンがされていた。
「マズイ、急いで開けろ!」
急に慌ただしくなり、外から無理矢理チェーンを切り、勝千代、警官と部屋になだれ込んだ。
「高木小夜、いるか!」
「先に勝千代が現場に着いているはずなんだ」
「勝千代がですか?」
「今から言う住所に向かってくれ」
由臣が告げた住所は、小早川食品の側のアパートだった。たぶんこちらは小夜の住んでいるところなのだろう。
川村がそちらへ向かい始めたところで、由臣のスマホが鳴った。勝千代からだった。
「なんだ」
『小早川食品を張ってる者から連絡があったんだが、高木小夜が早退したらしい』
「なに?」
『尾行させているが、どうやらアパートに戻ってこようとしているようだ』
「勘付かれたか」
『あ、高木小夜がアパートに到着した』
「そのまま見張っておけ。令状はあるんだろう?」
『ある』
緊迫した雰囲気に、美哉は機嫌を悪くしている場合ではないことに気がつき、頭を振って気分を入れ替えた。
小夜が住んでいるらしいアパートに近づくと、なんとなく物々しい空気が漂っていた。そして、由臣たちが乗っている車が止まると、勝千代が黒い車から降りて近寄ってきた。
「高木小夜は部屋に戻った」
「突入する準備は?」
「できている。アパートの管理人にも話は通してあるし、鍵も預かっている」
「それでは、行くぞ」
美哉と由臣と勝千代、そして警官が小夜の住む部屋の前まで来て、由臣がぼそりと呟いた。
「嫌な結末になってなければいいんだがな」
「……え?」
ドアの前に立った勝千代は、インターホンを鳴らしたが、やはり反応がない。
仕方がないので、鍵を開ければ、中からチェーンがされていた。
「マズイ、急いで開けろ!」
急に慌ただしくなり、外から無理矢理チェーンを切り、勝千代、警官と部屋になだれ込んだ。
「高木小夜、いるか!」