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恋の行方を探してください【完結】
第35章 【三十五話】真犯人

そう言うと、由臣は軽く咳払いをすると、話始めた。
「先週の金曜日に、トラットリア・まるこぽぉろで目撃されたのは、槇と高木小夜の二人で間違いない」
「はい」
「あの店の予約を取ったのは、高木小夜で間違いないだろう」
「え、そうなんですか?」
「予約名は槇の名になっているだろうが……いや、そうじゃないな。高木小夜は間違いなく『槇小夜』になれると思っていたから、高木が槇の名で予約を取ったのだろう」
「それは、あの日に槇さんが高木さんにプロポーズをすると、前もって分かっていたのですか? それとも、すでにプロポーズを受けて……いや、だったらなれると思っていたなんて思いませんよね」
「そう、よく気がついたな。あの金曜日に、高木小夜は勝負するつもりで予約が取りにくいというあの店を選び、高木小夜からプロポーズをしたんだ」
「えっ?」
由臣の思わぬ言葉に、美哉は驚いて顔を上げた。すると、由臣と視線が合った。由臣は思った以上に真面目な表情をしていた。
いつも、どこか人を馬鹿にしたような表情をしているのに、今はそんなことがなくて、整った顔立ちが際立っていることに気がつき、美哉はまたもや自分の思いに反して、どきりと胸が高鳴ったのを感じて、慌てて顔を伏せた。
由臣は美哉が慌てて顔を伏せたのを見て、小さく笑うと続けた。
「高木小夜は何度も『自分が年上』と言っていただろう」
「はい」
「彼女は、かなり歳を気にしているようだった。そして、これを逃すと、彼女は結婚ができないと思い込んでしまった」
「それはその……」
美哉が言いよどんだ言葉を、由臣は耳元で囁いた。
「身体の相性がよい相手だったから?」
「────っ!」
「俺も美哉との相性、ばっちりだと思うんだけどなー」
「由臣さんっ!」
「そうは言うけれど、性格もだが、身体の相性ってかなり重要だぞ?」
「そうかもしれませんけどっ! 私は別に由臣さんとでなくても……」
「ふぅん? じゃあ、忠誠の儀をした中で、だれが一番良かったんだ?」
由臣の不機嫌な声に、美哉は顔を上げた。
「先週の金曜日に、トラットリア・まるこぽぉろで目撃されたのは、槇と高木小夜の二人で間違いない」
「はい」
「あの店の予約を取ったのは、高木小夜で間違いないだろう」
「え、そうなんですか?」
「予約名は槇の名になっているだろうが……いや、そうじゃないな。高木小夜は間違いなく『槇小夜』になれると思っていたから、高木が槇の名で予約を取ったのだろう」
「それは、あの日に槇さんが高木さんにプロポーズをすると、前もって分かっていたのですか? それとも、すでにプロポーズを受けて……いや、だったらなれると思っていたなんて思いませんよね」
「そう、よく気がついたな。あの金曜日に、高木小夜は勝負するつもりで予約が取りにくいというあの店を選び、高木小夜からプロポーズをしたんだ」
「えっ?」
由臣の思わぬ言葉に、美哉は驚いて顔を上げた。すると、由臣と視線が合った。由臣は思った以上に真面目な表情をしていた。
いつも、どこか人を馬鹿にしたような表情をしているのに、今はそんなことがなくて、整った顔立ちが際立っていることに気がつき、美哉はまたもや自分の思いに反して、どきりと胸が高鳴ったのを感じて、慌てて顔を伏せた。
由臣は美哉が慌てて顔を伏せたのを見て、小さく笑うと続けた。
「高木小夜は何度も『自分が年上』と言っていただろう」
「はい」
「彼女は、かなり歳を気にしているようだった。そして、これを逃すと、彼女は結婚ができないと思い込んでしまった」
「それはその……」
美哉が言いよどんだ言葉を、由臣は耳元で囁いた。
「身体の相性がよい相手だったから?」
「────っ!」
「俺も美哉との相性、ばっちりだと思うんだけどなー」
「由臣さんっ!」
「そうは言うけれど、性格もだが、身体の相性ってかなり重要だぞ?」
「そうかもしれませんけどっ! 私は別に由臣さんとでなくても……」
「ふぅん? じゃあ、忠誠の儀をした中で、だれが一番良かったんだ?」
由臣の不機嫌な声に、美哉は顔を上げた。

