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恋の行方を探してください【完結】
第37章 【三十七話】異常行動
由臣はうなずくと、勝千代は車の中の美哉へ視線を向けて来た。途端、美哉はさらに赤くなった。
「美哉さん」
「はっ、はいっ」
「今夜、探偵事務所に行きます」
「え、あ、はい。あのっ、時間は?」
「ちょっと時間は読めないけれど、事情聴取をしなければならないので。あと、カバンも持って行きます」
「あ……はい、分かりました」
御庭番の中で一番の好みは勝千代と言えるかもしれない美哉は、勝千代がわざわざそう言ってきたことに勘違いをしてしまい、さらに赤くなってしまった。また交われたらいいな、なんて思っていた美哉は早とちりしてしまい、恥ずかしい。
「由臣、美哉さん、疲れているみたいだから、事務所に帰ってもらってもいいよ」
「あぁ、そうする」
由臣はそういうと、さっさと窓を上げてしまった。
「川村、事務所へ戻ってくれ」
「はい、かしこまりました」
「それで、美哉」
「なっ、なんですかっ」
「そんなに勝千代がいいのか?」
「えっ、だ、だって! 勝千代、優しいし……」
「俺は優しくないと?」
「優しくないです、意地悪です」
「勝千代とだけは争いたくないんだよなぁ」
と由臣はそんなことをぶつぶつと呟きながら、ため息を吐いた。
「美哉さん」
「はっ、はいっ」
「今夜、探偵事務所に行きます」
「え、あ、はい。あのっ、時間は?」
「ちょっと時間は読めないけれど、事情聴取をしなければならないので。あと、カバンも持って行きます」
「あ……はい、分かりました」
御庭番の中で一番の好みは勝千代と言えるかもしれない美哉は、勝千代がわざわざそう言ってきたことに勘違いをしてしまい、さらに赤くなってしまった。また交われたらいいな、なんて思っていた美哉は早とちりしてしまい、恥ずかしい。
「由臣、美哉さん、疲れているみたいだから、事務所に帰ってもらってもいいよ」
「あぁ、そうする」
由臣はそういうと、さっさと窓を上げてしまった。
「川村、事務所へ戻ってくれ」
「はい、かしこまりました」
「それで、美哉」
「なっ、なんですかっ」
「そんなに勝千代がいいのか?」
「えっ、だ、だって! 勝千代、優しいし……」
「俺は優しくないと?」
「優しくないです、意地悪です」
「勝千代とだけは争いたくないんだよなぁ」
と由臣はそんなことをぶつぶつと呟きながら、ため息を吐いた。