この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第1章 【一話】美哉の不運
唇に、初めて感じる柔らかい熱。それはほんのり湿っていて、ついばむように、離れては重なり……、重な……り?
「────っ!」
バチッと音がしそうなくらいの勢いで、瞳を開いたのは、宇佐見美哉(うさみ みや)。
美哉の視界に入ったのは、ちょっとぼさっとした黒髪の男性。目を閉じているから分からないけれど、男性にしてはまつげが長いな、だった。こんなに異性の顔が近くにあるのも驚きであったけれど、もっと驚いたのは、その男性は、美哉にキスをしていたのだ。
美哉はさらに目を見開いた。
美哉にキスをしている男性とは、まったく面識はない。それどころか美哉は、男性が大の苦手で、近寄っただけで鳥肌が立つ。
……のだが、どうしてだろう、キスをしている男性に対しては、鳥肌はまったく立っていなかった。
そのことも衝撃だったが、いや、それよりも、どうしてこの見知らぬ男性は、美哉にキスをしているのだろうか。
美哉は慌てて両手に力を込めると、男性が美哉の唇から離れた瞬間を狙って、両頬に思いっきりビンタを食らわした。
「……ったぁ」
美哉のビンタを食らった男性は、慌てて美哉から離れた。
その隙に周りを見回すと、覚えのない場所。青いシーツが目に入った。美哉はベッドの上に寝かされていた。
「どこ、ここ」
「どこって、俺の家」
「……は?」
「行き倒れていたのを、俺が拾った」
「…………」
まるでモノでも拾って、家に持ち帰ったような言い方に、美哉はカチンとした。
「拾ったってっ!」
「俺、オンナって苦手なんだけどさ」
「…………」
「おまえを見た瞬間、痛いくらい勃起(たっ)ちゃった。だから、責任を取ってもらおうか」
いきなりのセクハラ発言に、美哉の脳みそはフリーズした。それでも、美哉は言い返すことがかろうじてできた。
「え、な、なに、責任って」
美哉のその言葉に、男性は嬉しそうに笑った。といっても、美哉には悪魔の笑みにしか見えなかったが。
「おまえ、住む家、ないんだろう?」
「────っ!」
バチッと音がしそうなくらいの勢いで、瞳を開いたのは、宇佐見美哉(うさみ みや)。
美哉の視界に入ったのは、ちょっとぼさっとした黒髪の男性。目を閉じているから分からないけれど、男性にしてはまつげが長いな、だった。こんなに異性の顔が近くにあるのも驚きであったけれど、もっと驚いたのは、その男性は、美哉にキスをしていたのだ。
美哉はさらに目を見開いた。
美哉にキスをしている男性とは、まったく面識はない。それどころか美哉は、男性が大の苦手で、近寄っただけで鳥肌が立つ。
……のだが、どうしてだろう、キスをしている男性に対しては、鳥肌はまったく立っていなかった。
そのことも衝撃だったが、いや、それよりも、どうしてこの見知らぬ男性は、美哉にキスをしているのだろうか。
美哉は慌てて両手に力を込めると、男性が美哉の唇から離れた瞬間を狙って、両頬に思いっきりビンタを食らわした。
「……ったぁ」
美哉のビンタを食らった男性は、慌てて美哉から離れた。
その隙に周りを見回すと、覚えのない場所。青いシーツが目に入った。美哉はベッドの上に寝かされていた。
「どこ、ここ」
「どこって、俺の家」
「……は?」
「行き倒れていたのを、俺が拾った」
「…………」
まるでモノでも拾って、家に持ち帰ったような言い方に、美哉はカチンとした。
「拾ったってっ!」
「俺、オンナって苦手なんだけどさ」
「…………」
「おまえを見た瞬間、痛いくらい勃起(たっ)ちゃった。だから、責任を取ってもらおうか」
いきなりのセクハラ発言に、美哉の脳みそはフリーズした。それでも、美哉は言い返すことがかろうじてできた。
「え、な、なに、責任って」
美哉のその言葉に、男性は嬉しそうに笑った。といっても、美哉には悪魔の笑みにしか見えなかったが。
「おまえ、住む家、ないんだろう?」