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恋の行方を探してください【完結】
第38章 【三十八話】独占欲
 美哉は頭を振ると、由臣を真っ直ぐ見つめた。

「とにかく、何度もお断りしますけれど、由臣さんとはあり得ませんから!」
「……そうか。俺は美哉だけだし、いつまでも待っている」

 由臣のあまりにも重たい言葉に美哉はもう一度、首を振ると、部屋を出て行った。

 部屋に一人、残された由臣は、美哉が去っていく足音を聞きながら、大きなため息を吐いた。

 今まで、これほど渇望する女性に出会ったことがなかった。由臣自身も、実は戸惑っていた。
 これまで、母を無理矢理、ものにした父の気持ちが分からなかったが、美哉と出会って、ようやく分かった。
 どうあっても手に入れたいものというのは、世の中にはあるようだ。そして、そういうものに限って、無理をしなければ手に入れることができないということも、痛感した。
 美哉を独占したい──。
 そんな気持ちがわき上がってくる。
 部屋に閉じ込めて、誰にも見せることなく、自分一人のものにしたい。
 そんな昏い想いがわき上がってきて、どうしようもなくなる。

 それをしてしまえば、父よりひどい男になってしまうのは、さすがの由臣は分かっていた。
 それでも、まだ、美哉に決定的に嫌われている訳ではなさそうだ、というところが救いかもしれない。だからこそ、やってはいけない最低なことをしないでいられるのかもしれない。

 美哉を監禁してしまいたいという気持ちと戦いながら、由臣は今回の事件のまとめの作業を始めることにした。
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