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恋の行方を探してください【完結】
第38章 【三十八話】独占欲
そういった由臣の表情は切なくて、美哉の心はきゅうっと痛みを覚えた。
「俺はここで変わらず、美哉を想って生きていくだけだ」
「……どうして私なんですか」
「難しい質問だな。嫌いに理由はあるけれど、好きに理由はない。それと同じで、美哉のことが好き、としか言えない。あえて理由をあげるならば、きっと、美哉の匂いが好きなんだと思う」
「……匂い」
「人間は様々な匂いを発しているけれど、美哉はいい匂いがした。それが理由だと言ったら、駄目か?」
「いい匂いと言われても、分かりません」
「匂いで分からなければ、雰囲気が好きと言えばいいか?」
「……雰囲気、ですか」
美哉は雰囲気と言われて、余計に分からなくなって、首を傾げた。
「……一目惚れ、と言っただろう」
「そうですけど……。私、美人でもないし、自分で言うのもなんですが、中身はなにもないと思いますけど」
「そんなことない。俺にとっては、すでに美哉はいなくてはならない存在になっている」
情熱的とも取れる言葉を言われて、美哉の心はぐらりと揺れ動いた。
今日一日、一緒に行動をして、駄目なところもたくさんあったけれど、それでも、かなり心は揺れ動いていた。
それでも、美哉の中では勝千代へ気持ちがかなり傾いている。
「だって、やっぱり私と由臣さん、釣り合わないです」
「それこそ、時代錯誤すぎる」
「だって、由臣さん、小早川の三男ですよ? 私以外にでもいくらでもいらっしゃるでしょう?」
「いないから、三十まで経験がなかったんじゃないか」
「…………信じられません」
「信じても信じなくてもどちらでもいいが、俺は美哉だけだから。たとえ美哉が勝千代とひっついても、俺はずっと美哉を想い続ける」
「重たいです」
「あぁ、俺は重たいかもな」
「俺はここで変わらず、美哉を想って生きていくだけだ」
「……どうして私なんですか」
「難しい質問だな。嫌いに理由はあるけれど、好きに理由はない。それと同じで、美哉のことが好き、としか言えない。あえて理由をあげるならば、きっと、美哉の匂いが好きなんだと思う」
「……匂い」
「人間は様々な匂いを発しているけれど、美哉はいい匂いがした。それが理由だと言ったら、駄目か?」
「いい匂いと言われても、分かりません」
「匂いで分からなければ、雰囲気が好きと言えばいいか?」
「……雰囲気、ですか」
美哉は雰囲気と言われて、余計に分からなくなって、首を傾げた。
「……一目惚れ、と言っただろう」
「そうですけど……。私、美人でもないし、自分で言うのもなんですが、中身はなにもないと思いますけど」
「そんなことない。俺にとっては、すでに美哉はいなくてはならない存在になっている」
情熱的とも取れる言葉を言われて、美哉の心はぐらりと揺れ動いた。
今日一日、一緒に行動をして、駄目なところもたくさんあったけれど、それでも、かなり心は揺れ動いていた。
それでも、美哉の中では勝千代へ気持ちがかなり傾いている。
「だって、やっぱり私と由臣さん、釣り合わないです」
「それこそ、時代錯誤すぎる」
「だって、由臣さん、小早川の三男ですよ? 私以外にでもいくらでもいらっしゃるでしょう?」
「いないから、三十まで経験がなかったんじゃないか」
「…………信じられません」
「信じても信じなくてもどちらでもいいが、俺は美哉だけだから。たとえ美哉が勝千代とひっついても、俺はずっと美哉を想い続ける」
「重たいです」
「あぁ、俺は重たいかもな」