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恋の行方を探してください【完結】
第39章 【三十九話】勝千代に婚約者
夕食ができた頃に、宣言どおり、勝千代は美哉のカバンを持って事務所にやってきた。
みんなでわいわいと食事を取り──もちろん、由臣も一緒だ──、食後の片付けは御庭番に任せて、美哉は勝千代とともに一緒にキッチンから出た。
ちなみに由臣は、仕事が残っていると言って、食べ終わるとすぐに部屋に戻っていた。
「あの……勝千代、その……」
「美哉さん、おれも話があるんだけど、部屋に来るかい?」
どうやって勝千代を誘うかと思っていた美哉は、勝千代からそう提案されて、思わず大きくうなずいた。
それを見た勝千代は、笑った。
「そんなにおれと二人きりになるのを望んでくれていたの?」
「え……あ、……はい」
恥ずかしくて小さくうなずけば、勝千代は嬉しそうに笑った。
「おれの部屋、こっち」
そう言って、勝千代に手招きをされてついて行き、中へと入った。
明かりが付けられると、畳敷きのなにもない部屋。
「おれはここじゃないところで生活しているから、ここは待機したり、部屋に帰るのが面倒なときの仮眠するためだけの部屋なんだ」
「そう、なんだ」
「なにもないけど、どうぞ」
「はい、お邪魔します」
そう言って部屋に入ると、勝千代は鍵を掛けた。
その音が、美哉の心臓の動悸を速めた。
「あ、あのね、勝千代」
美哉は立ったまま、そわそわとそう言い出せば、勝千代は座るように促してきた。
「美哉さんがそんなに緊張していると、おれも緊張するというか」
「……はい」
勝千代が座ったのを見て、美哉も同じように勝千代の正面に座った。
「あのね、勝千代」
「はい」
「私……その」
美哉が口を開く前に、勝千代が手で制してきた。
「ちょっと待って、美哉さん。おれから言わせてほしい」
「え、あ、はい」
みんなでわいわいと食事を取り──もちろん、由臣も一緒だ──、食後の片付けは御庭番に任せて、美哉は勝千代とともに一緒にキッチンから出た。
ちなみに由臣は、仕事が残っていると言って、食べ終わるとすぐに部屋に戻っていた。
「あの……勝千代、その……」
「美哉さん、おれも話があるんだけど、部屋に来るかい?」
どうやって勝千代を誘うかと思っていた美哉は、勝千代からそう提案されて、思わず大きくうなずいた。
それを見た勝千代は、笑った。
「そんなにおれと二人きりになるのを望んでくれていたの?」
「え……あ、……はい」
恥ずかしくて小さくうなずけば、勝千代は嬉しそうに笑った。
「おれの部屋、こっち」
そう言って、勝千代に手招きをされてついて行き、中へと入った。
明かりが付けられると、畳敷きのなにもない部屋。
「おれはここじゃないところで生活しているから、ここは待機したり、部屋に帰るのが面倒なときの仮眠するためだけの部屋なんだ」
「そう、なんだ」
「なにもないけど、どうぞ」
「はい、お邪魔します」
そう言って部屋に入ると、勝千代は鍵を掛けた。
その音が、美哉の心臓の動悸を速めた。
「あ、あのね、勝千代」
美哉は立ったまま、そわそわとそう言い出せば、勝千代は座るように促してきた。
「美哉さんがそんなに緊張していると、おれも緊張するというか」
「……はい」
勝千代が座ったのを見て、美哉も同じように勝千代の正面に座った。
「あのね、勝千代」
「はい」
「私……その」
美哉が口を開く前に、勝千代が手で制してきた。
「ちょっと待って、美哉さん。おれから言わせてほしい」
「え、あ、はい」