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第45章 【四十五話】突然の別れ

　よく分からないけれど、弓月当麻は美哉を捕まえようとしているらしい。そして、目の前の男性は、それから助けるけど、ヤラせろと言っている。
　どっちを取るのが正しいのか、美哉は分からないけれど、でも、この男性は不思議と鳥肌が立たない。どちらを取るのがいいのか、美哉は自分の身体の反応に従うことにした。

「わ、分かった。私は逃げたいから！」
「よし。じゃあ、この道を真っ直ぐ走れ。路地を抜けたところに赤い車が止まってるから、そこにいろ」
「……はい」

　男の言葉に美哉は素直に従い、カバンをぐっと握ると路地を走り始めた。
　と同時に、背中越しに争う音が聞こえて来た。

「振り向くな！」

　振り返りそうになった美哉に、男の声が届いた。

「すぐに追いつく」

　美哉は男の指示どおりに振り返らず、路地を走り抜けた。