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恋の行方を探してください【完結】
第5章 【五話】御庭番に与頭ってなんですかっ!
二人のやりとりに、美哉はドアの隙間から顔を出して、それから初めて見る顔三人に、小さくお辞儀をした。
「すみません……。ちょっと私、男の人が苦手で……」
「え、苦手って、だって今、伊吹と忠誠の儀を行ったって聞いたけど……」
その一言に、美哉は先ほどの痴態を思い出して、真っ赤になって、部屋から出た。
「吟太、おまえ、そのデリカシーのなさがモテない理由だって言っただろう」
「うるさいな、勝千代のクセに!」
二人の声の片方に聞き覚えがあった美哉は、もう一度、部屋の中を覗いた。
「あ、あなたは」
先ほど、部屋の中を覗いたときに、見覚えのある顔があるなとは思ったのだが、それがどこでだったのかすぐに思い出せなかった。しかし、声を聞いて、はっきりと思い出したのだ。
「あなたは警察署で話を聞いてくれた人」
美哉が勝千代に視線を定めてそう言った後、由臣を見て、それからどうして美哉の身の上を詳細に知っているのか悟った。
「由臣から連絡をもらったとき、まさか君だとは思わなくてびっくりしたよ」
「…………」
「それにしても、由臣に拾われるなんて……よかったんだか、悪かったんだか」
「おい」
由臣の突っ込みを勝千代は無視して、冷ややかな声で問いかけた。
「それで、忙しいおれたちを呼び出したのは?」
「美哉を与頭にする件で呼んだ」
先ほどから出ている御庭番だとか、与頭といった言葉はどういう意味なのか分からない美哉は、首を傾げた。
「すみません……。ちょっと私、男の人が苦手で……」
「え、苦手って、だって今、伊吹と忠誠の儀を行ったって聞いたけど……」
その一言に、美哉は先ほどの痴態を思い出して、真っ赤になって、部屋から出た。
「吟太、おまえ、そのデリカシーのなさがモテない理由だって言っただろう」
「うるさいな、勝千代のクセに!」
二人の声の片方に聞き覚えがあった美哉は、もう一度、部屋の中を覗いた。
「あ、あなたは」
先ほど、部屋の中を覗いたときに、見覚えのある顔があるなとは思ったのだが、それがどこでだったのかすぐに思い出せなかった。しかし、声を聞いて、はっきりと思い出したのだ。
「あなたは警察署で話を聞いてくれた人」
美哉が勝千代に視線を定めてそう言った後、由臣を見て、それからどうして美哉の身の上を詳細に知っているのか悟った。
「由臣から連絡をもらったとき、まさか君だとは思わなくてびっくりしたよ」
「…………」
「それにしても、由臣に拾われるなんて……よかったんだか、悪かったんだか」
「おい」
由臣の突っ込みを勝千代は無視して、冷ややかな声で問いかけた。
「それで、忙しいおれたちを呼び出したのは?」
「美哉を与頭にする件で呼んだ」
先ほどから出ている御庭番だとか、与頭といった言葉はどういう意味なのか分からない美哉は、首を傾げた。