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恋の行方を探してください【完結】
第48章 【四十八話】脱出
 美哉はしばらく、痛む頭が治まるまでじゅうたんの上にうずくまっていたけれど、早いところ、ここから逃げなければならないことに気がついた。
 とはいえ、ここがどこか分からないし、まさかパジャマのまま外に出る訳にもいかないので、部屋の中をなにか他に着る物がないかと探したけれど、立派なタンスやクローゼットがあるというのに、中身は空だった。
 裸足のまま外に出ることに躊躇したけれど、スリッパがあることに気がつき、それを履いた。
 パジャマで出るのは心もとなかったけれど、仕方がない。ここに残るのは嫌だ。だから美哉はこのままで逃げることにした。

 ドアの前に立ち、ノブをひねると、簡単に開いた。鍵は掛かってないようだった。そのことにホッとしたのはつかの間。
 ドアを開けて廊下を見ると、先ほどの男性と、派手な女性が言い合いをしているところだった。マズイと思ってドアを閉めたけれど、気がつかれてしまった。
 中から鍵を掛けたけれど、蹴り破らん勢いでドアを蹴る音が聞こえて来た。もっと慎重にドアを開ければ良かったと思っても、すでに遅い。
 そんなに簡単に開くような造りではないはずなのに、すごい音がして、ドアが蹴り破られた。

「当麻! 信じられないわ!」
「キミだって何人も男を侍らせているじゃないか」
「あたしのはペット! あなたのは本気じゃないの!」
「ボクだって愛人の一人や二人、持っても構わないだろう?」
「構わないことないわよ!」

 女性は金切り声を上げると、履いていたハイヒールを掴み、美哉目がけて投げつけてきた。
 美哉が避けると、女性は反対のハイヒールも投げつけてきた。当たったら痛いのは分かっているので、美哉が避けると、ハイヒールは後ろの窓に当たり、カーテン越しにもかかわらず、ガラスが割れた音がした。あれが当たっていれば、とんでもなく痛かったと思うと、背筋が凍った。

「殺す! あんなオンナ、殺してやる……!」
「綺華!」

 目をつり上げて、肩で息をしながらこちらを睨み付けている姿を見て、美哉は震えた。

「綺華、止めろ!」
「止めないわっ! 最近ずっと、あなたは美哉、美哉って、あたしってものがいながら、そんな冴えないオンナに夢中になって! 殺さないと気が済まないわ」
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