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恋の行方を探してください【完結】
第48章 【四十八話】脱出
あまりにも物騒な言葉に、美哉は首を振り、じりじりと後退したけれど、後ろは窓ガラスが割れていて、限界だった。
「殺す、殺す、コロス……!」
「待て、綺華!」
当麻は綺華の腕を掴んで引き止めようとしたが、綺華は当麻を振り払い、裸足で美哉に向かって走り出してきた。美哉は恐ろしさに身がすくみ、動けない。
「殺してやる……!」
綺華はあっという間に美哉の元まで来て、腕を掴まれたと思ったら、すごい力で引き寄せられ、首を思いっきり締め付けられた。美哉は綺華の手を振り払おうと腕に手を掛けたけれど、一週間寝込んでいたのもあり、身体に力が入らない。
「かはっ」
首の骨を折られそうな勢いで首を絞められているのもあり、息がまったくできず、頭に血が上っていくのが分かった。目の前が暗くなっていく。周りの音も遠くなっていく。
「綺華、止めろ!」
「うるさい、黙れ!」
「警察が来た」
「到着するまでに殺してしまえばいいのよっ」
「綺華、頼むから犯罪者になるな!」
「嫌よ! あたしから当麻を奪っていく憎いオンナ、殺してやる……!」
美哉は身体から力が抜けて立っていられなくなり、ずるりと身体が床に落ちたのは分かった。
「綺華!」
当麻が綺華に体当たりをしたらしい、というのは、美哉の身体に衝撃があって痛いと感じたからだ。そのせいで綺華の手が緩まったのか、急激に息が肺に入りこんできた。
「げふっ、げふっ」
いきなり入り込んできた新鮮な空気に、美哉の身体は大きく咳きこんだ。
「当麻、邪魔しないで!」
「綺華、頼むから止めてくれ! 今、そのオンナを殺したら、おまえは刑務所行きだし、会社も家族もみんなお終いだぞ! ボクだって巻き添えを食らってどうなるか分からない」
「そんなの、関係ないわ。このオンナを殺したら、当麻、あたしと二人で逃げましょう!」
息ができるようになったことで、ようやく視界も戻ってきた美哉は、綺華と当麻が揉み合っているのを見た。
そして綺華は、当麻の身体に体当たりをした。
「うわ……!」
まさかそんなことをされると思っていなかった当麻はバランスを崩し、割れた窓ガラスに身体が突っ込んだ。
「……あっ!」
「殺す、殺す、コロス……!」
「待て、綺華!」
当麻は綺華の腕を掴んで引き止めようとしたが、綺華は当麻を振り払い、裸足で美哉に向かって走り出してきた。美哉は恐ろしさに身がすくみ、動けない。
「殺してやる……!」
綺華はあっという間に美哉の元まで来て、腕を掴まれたと思ったら、すごい力で引き寄せられ、首を思いっきり締め付けられた。美哉は綺華の手を振り払おうと腕に手を掛けたけれど、一週間寝込んでいたのもあり、身体に力が入らない。
「かはっ」
首の骨を折られそうな勢いで首を絞められているのもあり、息がまったくできず、頭に血が上っていくのが分かった。目の前が暗くなっていく。周りの音も遠くなっていく。
「綺華、止めろ!」
「うるさい、黙れ!」
「警察が来た」
「到着するまでに殺してしまえばいいのよっ」
「綺華、頼むから犯罪者になるな!」
「嫌よ! あたしから当麻を奪っていく憎いオンナ、殺してやる……!」
美哉は身体から力が抜けて立っていられなくなり、ずるりと身体が床に落ちたのは分かった。
「綺華!」
当麻が綺華に体当たりをしたらしい、というのは、美哉の身体に衝撃があって痛いと感じたからだ。そのせいで綺華の手が緩まったのか、急激に息が肺に入りこんできた。
「げふっ、げふっ」
いきなり入り込んできた新鮮な空気に、美哉の身体は大きく咳きこんだ。
「当麻、邪魔しないで!」
「綺華、頼むから止めてくれ! 今、そのオンナを殺したら、おまえは刑務所行きだし、会社も家族もみんなお終いだぞ! ボクだって巻き添えを食らってどうなるか分からない」
「そんなの、関係ないわ。このオンナを殺したら、当麻、あたしと二人で逃げましょう!」
息ができるようになったことで、ようやく視界も戻ってきた美哉は、綺華と当麻が揉み合っているのを見た。
そして綺華は、当麻の身体に体当たりをした。
「うわ……!」
まさかそんなことをされると思っていなかった当麻はバランスを崩し、割れた窓ガラスに身体が突っ込んだ。
「……あっ!」