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恋の行方を探してください【完結】
第6章 【六話】断固として拒否します!
 なんだかとっても恐ろしい話がやりとりされているのを聞いていた美哉は、そろりと部屋を離れようとしたが、すぐに由臣に気がつかれた。

「逃げるな、美哉」

 そう言うと、大股で歩いて来て、美哉の腕をつかむと、その熱っ苦しい腕の中に抱き込まれてしまった。

「離してっ」
「嫌だ。絶対に死んだって離さない」
「嫌ですって!」

 美哉は由臣の腕の中でじたばたとしたが、まったく緩むことはなかった。

「由臣さま、嫌がる女性をそのようにするのはいかがなものかと」
「こいつは口だけだ。嫌といいながら、身体をもたらせかけてきているんだから、同意しているようなもんだ」
「ちがっ」

 違うと拒否の言葉を口にする前に、これだけの人がいるにもかかわらず、由臣は美哉の唇を塞いだ。それだけではなく、舌を入れてきて、絡める濃厚なキスまでしてくるのだから、たまったものではない。
 最初は周りに人がいることが恥ずかしくて拒否をしていたけれど、由臣の舌は執拗に美哉の舌を探り当て、絡ませてきてしまえば、後はもう、ぼんやりとして無意識のうちに応えていた。
 ぐったりと力が抜けた美哉に気がついた由臣は、そこでようやく舌を抜いた。

「美哉の唇は俺のモノだ。忠誠の儀の時だけ美哉の身体は貸すが、正直、こんなもの、美哉の代で廃止させる」
「それがようございます」

 え、なんかよく分からないけれど、私の時で終わりなの? とは頭がぼんやりとした美哉。

「……や、です」
「なにがだ」
「忠誠の儀のときだけ……なの?」
「は?」
「よくわからないけれど、ここにいる人たち、御庭番と呼ばれている人たちなんでしょう?」
「お、おう……」
「で、由臣さんは私を勝手にそのトップであるらしい与頭とかいうものにしちゃった、と」
「……まあ、そういうこと、になるな」

 御庭番というものがなにかよく分かっていないけれど、それはとても大切な役割であるらしいというのはなんとなく美哉には分かった。

「御庭番というのは……古坂、説明を任せた!」
「いつもそうやって肝心なところはわたしに丸投げですか。……いいですけどね」
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