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恋の行方を探してください【完結】
第6章 【六話】断固として拒否します!
 そう言って、古坂は美哉からはかなり距離は取っていたけれど、真正面に立つと、膝を床について頭を下げた。

「わたしは古坂伊佐治(こさか いさじ)と申します。由臣さまとの付き合いは、たぶん御庭番の中でも一番古いかと思います」
「そうだな」
「わたしたちは江戸時代に御庭番と呼ばれていた人たちの子孫になります。江戸時代が終わり、明治になり、警察官が出てくるとともにお役が終わりになったところ、由臣さまの曾おじいさまがわたしたち祖先らを拾い、それからずっと小早川に仕えているのです」
「そんな古くから……というか、まだその制度が続いているって……」
「小早川も古い家柄ですし、そしてなにより、大きなグループ会社を経営する一族ですから、わたしたちのような諜報員と言いますか、護衛役といいますか、それが必要なのです」
「そういう……もの、なのですか」
「そういうものなのですよ」

 古坂の説明に美哉は理解はしたが、納得はしていなかった。

「ここにいる、馬場伊吹、和多田勝千代、村垣吟太(むらがき ぎんた)、そしてわたし、古坂伊佐治の四人は、前与頭である由臣さまの護衛役。他にも数人、御庭番がおります」
「……で、その与頭ってのは」
「御庭番の元締めですね」
「……えっ、ちょ、ちょっと待ってください! 私が与頭になるって、それってどういう……意味、ですか」

 そもそも美哉は、職も家もないばかりか、持っていたカバンも盗まれてない状態だ。そんな身一つしかない美哉が、いきなり小早川グループを裏から支えていると思われる御庭番のトップにつくなんて、おかしすぎる。

「その、色々とおかしいですよ!」
「おかしくないんだよ、これが」
「え」
「そもそも、御庭番なんて古くさい制度、このご時世には必要のないものなんだ」
「え、そこから否定ですか。彼らを全否定するって、それはひどすぎませんか」
「……なるほど、由臣さまが美哉さまのことをお気に召したのも、うなずけます」
「これだけでっ?」
「これだけと申しますが、なんの説明もなく美哉さまは由臣さまが与頭にした挙げ句、伊吹とすでに忠誠の儀を交わされたとのこと。それなのに、わたしたちの存在をきちんと肯定してくださる。古坂伊佐治、美哉さまにこの先の生涯、すべて捧げることを誓いましょう」
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