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恋の行方を探してください【完結】
第6章 【六話】断固として拒否します!
そういって、古坂は美哉に向かって深々と頭を下げた。そうされてしまって困ったのは、美哉だ。
「あの、古坂さんっ、頭を上げてください、困りますっ」
「美哉さまは古坂の忠誠など要らぬ、と。それでは……!」
とどこから出てきたのか、古坂は懐刀を取り出すと、すらりと鞘を抜き去った。室内灯の光を受けてきらりと光るのは、本物の輝き。きれい……なんて美哉が見とれていると、なんと古坂はその刃を首元へと当てた。
「ここで自害を……!」
「わー! 待って、待ってください!」
「与頭から要らないと言われたら、わたしの存在価値など、なしに等しいのです! いいのです、止めないでください!」
「いやいや、ちょっと待って! とにかく待って! 古坂さんが要らない人なんて、思ってもないから!」
「それでは……わたしの忠誠の誓いを、受け入れて……」
そういいながら古坂は脅すように首に当てた懐刀に力を入れた。そうすると、首の皮膚が薄く切れて、つーっと血が流れてきた。
「いやあああ! わかった、分かったから! 受け入れます! だから止めてっ!」
「……美哉さまがそうおっしゃるのなら、止めましょう」
古坂はそういうと、懐刀を首から離し、懐紙で刃を拭き取ると、ようやく鞘に収めてくれた。
「……古坂が一番、腹黒くないか」
「由臣さまのためではございません。わたしも美哉さまのことが気に入りました。与頭は美哉さまがいいです」
そう言われても、美哉は自分にそれだけの価値があるとは思えなくて、思わず首を振った。
「由臣さんもですが、古坂さんもずるいです。そう言われたら、だれだってその……与頭とかいうのをやりますとしか言えないじゃないですか」
美哉は大きくため息を吐きながら、今の気持ちを吐露した。
「あの、古坂さんっ、頭を上げてください、困りますっ」
「美哉さまは古坂の忠誠など要らぬ、と。それでは……!」
とどこから出てきたのか、古坂は懐刀を取り出すと、すらりと鞘を抜き去った。室内灯の光を受けてきらりと光るのは、本物の輝き。きれい……なんて美哉が見とれていると、なんと古坂はその刃を首元へと当てた。
「ここで自害を……!」
「わー! 待って、待ってください!」
「与頭から要らないと言われたら、わたしの存在価値など、なしに等しいのです! いいのです、止めないでください!」
「いやいや、ちょっと待って! とにかく待って! 古坂さんが要らない人なんて、思ってもないから!」
「それでは……わたしの忠誠の誓いを、受け入れて……」
そういいながら古坂は脅すように首に当てた懐刀に力を入れた。そうすると、首の皮膚が薄く切れて、つーっと血が流れてきた。
「いやあああ! わかった、分かったから! 受け入れます! だから止めてっ!」
「……美哉さまがそうおっしゃるのなら、止めましょう」
古坂はそういうと、懐刀を首から離し、懐紙で刃を拭き取ると、ようやく鞘に収めてくれた。
「……古坂が一番、腹黒くないか」
「由臣さまのためではございません。わたしも美哉さまのことが気に入りました。与頭は美哉さまがいいです」
そう言われても、美哉は自分にそれだけの価値があるとは思えなくて、思わず首を振った。
「由臣さんもですが、古坂さんもずるいです。そう言われたら、だれだってその……与頭とかいうのをやりますとしか言えないじゃないですか」
美哉は大きくため息を吐きながら、今の気持ちを吐露した。