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恋の行方を探してください【完結】
第7章 【七話】鳥肌が立つ理由
 御庭番と与頭(くみがしら)がなにか、ということが分かったのはよかったのだが、結局、美哉は、不本意ながら与頭になることを受け入れなければならない状況になってしまった。

「ちなみに美哉が古坂を見捨てて与頭にならないと言っていたら、すでに忠誠を誓っていた伊吹も同じ運命になっていたぞ」
「……え」
「忠誠を誓った御庭番は、与頭に拒絶されたら最後、死ななければならない」
「ちょ、な、なにそれ! そういう大切なことは最初に言いなさいよ! それこそ、時代錯誤じゃないっ!」
「美哉もそう思うのか? そうだよな、奇遇だな、俺もそう思うよ」

 とニヤニヤと笑みを浮かべて由臣は美哉の顔を覗き込んだ。
 そうだった、すっかり馴染んでしまっていたけれど、美哉は今、まだ由臣の腕の中にいたのだ。

「で、古坂は忠誠の儀はどうする?」
「わたしは……お願いしたいところですが、いえ、こんな年寄り、美哉さまも嫌でしょうし、わたしはそんなことをしなくても、美哉さまを裏切るようなことはいたしません」
「分かった。それで、勝千代と吟太は?」

 由臣は美哉の後ろに立つように抱きしめていたため顔は見えないが、さっきのにやけ顔ではないのは、分かった。

「美哉ちゃんさえ嫌じゃなければ、是非ともオレの童貞を奪ってほしい」

 とは吟太。

「おれは……どうしてもといえば、やぶさかでもないんだが……」
「勝千代が一番、待ちわびていたんだろう? なにをもったいぶっている」
「そうだけど! そうなんだがっ!」

 そう言った勝千代は、肩をふるふると震わせた後、大きく頭を振ったかと思ったら、思いっきり美哉に向かって土下座した。

「美哉さまっ!」
「ぇ、あ、はいっ」
「おれの童貞ももらってください!」
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