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恋の行方を探してください【完結】
第8章 【八話】気持ちいいことはイイコトだ
そういって、由臣は少し癖のある前髪をかきあげると、美哉に笑いかけた。
ぞくり……と、鳥肌とは違うなにかが背中を駆け上がった。
「勝千代と吟太の儀式だが、今日はやめておこう。美哉も疲れているだろう」
その一言に、美哉はほっとした。とはいえ、儀式が先延ばしになっただけだったが。
でも、一足先に済ませた、伊吹との儀式は、気持ちがよかった。だからきっと、勝千代と吟太との儀式も気持ちがいいのだろう。期待に疼くが、しかし、今は平気そうに立っているけれど、実はあちこちが痛かったりして大変だったりするので、ありがたかった。
「俺の当面の目標は、美哉を落とすことだ!」
という由臣の宣言に、
「絶対にあり得ませんから!」
と応戦する美哉を見て、ずっと見守っていた御庭番たちは、顔を見合わせ、くすりと笑いあった。
そうやって突っぱねている時点で、美哉が由臣に強く惹かれているのは、傍目にも分かったからだ。
そうでなければ、このおかしな話を受け入れるはずはないということを、御庭番たちは知っていたのだ。
しかし、と三人はそれぞれが思う。
由臣の兄の奥様には悪いが、あのとき、拒否してくれてよかった、と。彼女と美哉のどこがどう違う、とはっきりと言葉にはできないけれど、美哉が与頭になってくれて、どうしてだろう、彼らは安堵していた。
彼らもまた、美哉に惹かれていた。
ぞくり……と、鳥肌とは違うなにかが背中を駆け上がった。
「勝千代と吟太の儀式だが、今日はやめておこう。美哉も疲れているだろう」
その一言に、美哉はほっとした。とはいえ、儀式が先延ばしになっただけだったが。
でも、一足先に済ませた、伊吹との儀式は、気持ちがよかった。だからきっと、勝千代と吟太との儀式も気持ちがいいのだろう。期待に疼くが、しかし、今は平気そうに立っているけれど、実はあちこちが痛かったりして大変だったりするので、ありがたかった。
「俺の当面の目標は、美哉を落とすことだ!」
という由臣の宣言に、
「絶対にあり得ませんから!」
と応戦する美哉を見て、ずっと見守っていた御庭番たちは、顔を見合わせ、くすりと笑いあった。
そうやって突っぱねている時点で、美哉が由臣に強く惹かれているのは、傍目にも分かったからだ。
そうでなければ、このおかしな話を受け入れるはずはないということを、御庭番たちは知っていたのだ。
しかし、と三人はそれぞれが思う。
由臣の兄の奥様には悪いが、あのとき、拒否してくれてよかった、と。彼女と美哉のどこがどう違う、とはっきりと言葉にはできないけれど、美哉が与頭になってくれて、どうしてだろう、彼らは安堵していた。
彼らもまた、美哉に惹かれていた。