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恋の行方を探してください【完結】
第9章 【九話】ナンバーツーってなんの話ですか!
 結局、美哉は、由臣に言いくるめられたかのような状況で、与頭を正式に受け入れた。
 そして、今日から、美哉の部屋は由臣と同じ部屋になった。

「俺は少し仕事が残っているから、先に寝ていてくれ」
「……分かりました」

 今日は色々なことがありすぎて、美哉も疲れていたため、素直に応じた。
 由臣の執務室には、隣の寝室に通じる扉がついていて、開けると、美哉が目を覚ました時に寝ていたベッドがそこにあった。
 伊吹と一緒に部屋を出るときは、シーツが乱れまくっていたのに、今はその名残を感じさせないくらい、綺麗に整えられていた。
 ということは。

「……だれかにアレ、見られたってことっ?」

 美哉は初めてだった。だから破瓜の血がシーツを汚したことを気にしていた。しかも、由臣も片付けたとはいえ、美哉の太股に精液をぶちまけていたのだ。だれがベッドメイクをしてくれたのか知らないけれど、ものすごく恥ずかしい。
 とはいえ、ここに来て数時間しか経っていないが、由臣以外で出会ったのは、御庭番のみ。この男所帯に女性がいるのだろうか。
 気になり始めてしまい、そうなると落ち着いて眠ることもできないので、執務室に戻って由臣に聞くことにした。
 寝室に入ったドアを開けると、かなり真面目な表情をして資料を読んでいる由臣がいた。

「どうした」

 美哉が部屋に戻ってきたことを気配だけで感じた由臣は、資料から顔も上げずに聞いてきた。どうしてだろう、そのことがすごく淋しいと美哉は感じたが、その感情を認めたくなくて、手を握りしめた。

「あの……寝室のベッドが綺麗になっていたから」
「あぁ、それなら俺が直した」
「え」
「そこは驚くところか?」

 そこでようやく、由臣は資料から顔を上げて、美哉を見た。
 その表情に、なぜかドキリとしたけれど、美哉は悔しくて、由臣の顔を睨み付けた。

「洗濯はさすがにしないが、身の回りは自分でやっているぞ」
「…………」
「じいやかばあやがいて、やってもらっているとでも思っていたか」
「……いえ、そういうわけではないですけど……」
「俺は、だれも信用していない」
「え」
「その中でも、御庭番と美哉は信用できる」
「御庭番はともかく、会って間もない私に対して信用しているなんて、警戒心、なさ過ぎじゃないですか」
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