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恋の行方を探してください【完結】
第9章 【九話】ナンバーツーってなんの話ですか!
 美哉のその言葉に、ようやく由臣は笑った。

「美哉は、信じられる。たとえ裏切られても、俺は美哉を信じているし、美哉に殺されるのなら、本望だ」
「なっ、なにを……!」
「美哉、与頭ってのはどれくらいの地位か知っているか」

 突然、話が変わって、美哉は思わず眉間にしわを寄せた。

「小早川の家は、結構古い。とはいえ、旧態依然とまではしてないが、それでも、序列というか地位というのは存在している」
「…………」
「当主がトップなのは言うもがな。次がだれか、知っているか」
「……分かりません」
「まあ、分からないよな。あっさり答えを言うのもなんだが、小早川の二位は、与頭なんだよ」
「…………えっ」
「俺が代理になるまでは、与頭はイコール当主の伴侶だった。だから、与頭はナンバーツーの地位になるのは当たり前だよな」
「ちょ、ちょっと待ってください! え、それって今も有効なんですかっ」

 美哉が戸惑うのも当たり前だ。
 与頭が御庭番のトップというだけでも混乱しているのに、さらに実は小早川のナンバーツーだった、なんて、信じられない。

「それっておかしいです!」
「おかしいけれど、こればっかりは仕方がない」
「だって私、小早川でもなんでもないんですよっ?」
「俺と結婚するから、問題ない」
「いや、だからっ! しませんって!」
「そうやって拒否されると、余計に燃えるんだが」
「燃えなくていいですって!」

 今すぐここから出て行きます! といつもなら言えるのだけど、ここを出て行ったところで、路頭に迷って、悲惨な目に遭う未来しか思い描けない。それだったらここにいて、ちょっとは好意を抱いた……そうだ、ようやく分かった。
 美哉は、伊吹も勝千代も、吟太も、古坂さえ、最初は鳥肌が立ったものの、今では好きと気持ちが芽生えていた。だからきっと、それも影響して、鳥肌が立たないのだろう。
 ──ということ、は?

「え……」
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