この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第10章 【十話】由臣の思惑
少し淋しそうな表情を浮かべたことを由臣は見逃さなかったが、そこで突っ込んでしまっては逃げられるだろうというのが分かったので、ぐっと我慢した。
「それでは、下に行って朝ごはん、いただいてきますね」
「そうしてくれ」
由臣は美哉が布団から抜け出すのを見て、同じようにベッドを降り、隣の執務室へと向かった。美哉は寝室から廊下へと続くドアを開けて、下に降りていった。
執務室へと戻ると、昨日の夜のままの状態だった。
机へ近寄り、読みかけの調査書に視線を落とした。
由臣の仕事は、探偵だ。それも父の希望により、小早川グループ専属の探偵となっていた。
月に一度、あるかないかの依頼だが、今回はかなり嫌な予感がする内容だった。それに美哉を同行させていいのかどうか悩んだが、それでも、由臣自身が美哉の側にできるだけいたいと思っていた。
嫌な思い、怖い目に遭わせるのが分かっていながら、由臣は自分のわがままを貫くことにした。
たとえ後から美哉に不満をぶつけられても、それを受け止めるつもりでいた。
ただ一つ、懸念事項があるとしたら、弓月当麻の存在だけだった。
「それでは、下に行って朝ごはん、いただいてきますね」
「そうしてくれ」
由臣は美哉が布団から抜け出すのを見て、同じようにベッドを降り、隣の執務室へと向かった。美哉は寝室から廊下へと続くドアを開けて、下に降りていった。
執務室へと戻ると、昨日の夜のままの状態だった。
机へ近寄り、読みかけの調査書に視線を落とした。
由臣の仕事は、探偵だ。それも父の希望により、小早川グループ専属の探偵となっていた。
月に一度、あるかないかの依頼だが、今回はかなり嫌な予感がする内容だった。それに美哉を同行させていいのかどうか悩んだが、それでも、由臣自身が美哉の側にできるだけいたいと思っていた。
嫌な思い、怖い目に遭わせるのが分かっていながら、由臣は自分のわがままを貫くことにした。
たとえ後から美哉に不満をぶつけられても、それを受け止めるつもりでいた。
ただ一つ、懸念事項があるとしたら、弓月当麻の存在だけだった。