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恋の行方を探してください【完結】
第11章 【十一話】由臣の偏食
由臣に朝食を摂ってくるように言われて四階に降りたところで、寝起きらしい吟太と偶然、出会った。
「おはようございます」
美哉から先行して挨拶をしたところ、あくびをした後だったのか、少し涙が浮かんだ瞳を見開いた吟太が、驚いた表情で美哉を見た。
「あ……おはようございます。ずいぶんと早いっすね」
「そう? 私はいつもどおりの時間に起きたつもりなんだけど」
「あー、勤め人は普通、これくらいには起きてるのか」
時計は見ていないけれど、感覚的にいつも起きている時間くらいだろうというのは、吟太の言葉でなんとなく分かった。
「あの、由臣さんから今日の朝ごはん当番、吟太って聞いたんだけど」
「うん、そう。だから早く起きてきた」
「なんだったら私が作りましょうか」
「え、お願いしてもいいっ?」
吟太の嬉しそうな声に、美哉は小さくうなずいた。
吟太とともにキッチンへと入り、食材や調味料、食器や調理道具の場所の説明を受けた。
「由臣はオレたちが作った飯は食わないから」
「……え」
「あれ、由臣から聞いてない?」
「あの……朝食に誘ったら、気にしなくていいと言われたので、あまり突っ込んで聞いてはないです」
「そっかー。ちょっとどころか、かなり偏食で、基本はゼリー飲料で栄養摂ってる」
「……はいっ? そんなの、おかしいです! 私が作ります!」
「美哉ちゃんが作った物だったら、もしかしたら食べるかもだから、由臣のも適当に作ってくれる?」
「はい、もちろん!」
昨日、伊吹が用意してくれたご飯は、伊吹が作った物だと言っていた。さすが女性の格好しているだけあって、女子力高いなぁ、なんて思いながら食べていたのだけど、とても美味しかった。
「伊吹が作った物でも食べないの?」
「だれが作っても駄目。というより、手作りが駄目っぽい」
「え……それなら、私が作っても、駄目じゃない?」
「うーん、そこは分からない。けど、もし由臣が食べなくても、オレが食べるから、大丈夫!」
「おはようございます」
美哉から先行して挨拶をしたところ、あくびをした後だったのか、少し涙が浮かんだ瞳を見開いた吟太が、驚いた表情で美哉を見た。
「あ……おはようございます。ずいぶんと早いっすね」
「そう? 私はいつもどおりの時間に起きたつもりなんだけど」
「あー、勤め人は普通、これくらいには起きてるのか」
時計は見ていないけれど、感覚的にいつも起きている時間くらいだろうというのは、吟太の言葉でなんとなく分かった。
「あの、由臣さんから今日の朝ごはん当番、吟太って聞いたんだけど」
「うん、そう。だから早く起きてきた」
「なんだったら私が作りましょうか」
「え、お願いしてもいいっ?」
吟太の嬉しそうな声に、美哉は小さくうなずいた。
吟太とともにキッチンへと入り、食材や調味料、食器や調理道具の場所の説明を受けた。
「由臣はオレたちが作った飯は食わないから」
「……え」
「あれ、由臣から聞いてない?」
「あの……朝食に誘ったら、気にしなくていいと言われたので、あまり突っ込んで聞いてはないです」
「そっかー。ちょっとどころか、かなり偏食で、基本はゼリー飲料で栄養摂ってる」
「……はいっ? そんなの、おかしいです! 私が作ります!」
「美哉ちゃんが作った物だったら、もしかしたら食べるかもだから、由臣のも適当に作ってくれる?」
「はい、もちろん!」
昨日、伊吹が用意してくれたご飯は、伊吹が作った物だと言っていた。さすが女性の格好しているだけあって、女子力高いなぁ、なんて思いながら食べていたのだけど、とても美味しかった。
「伊吹が作った物でも食べないの?」
「だれが作っても駄目。というより、手作りが駄目っぽい」
「え……それなら、私が作っても、駄目じゃない?」
「うーん、そこは分からない。けど、もし由臣が食べなくても、オレが食べるから、大丈夫!」