この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第11章 【十一話】由臣の偏食
 そういう問題ではないんだけどな、と美哉は思ったけれど、一応、吟太なりに気遣ってくれたらしいので、笑みを返した。
 途端。
 吟太の顔が真っ赤になった。

「ちょ……、今、そこで笑うの、違反だよ!」
「え、なんで?」
「あのな……オレ、平静を保ってるけど、今、ここに美哉ちゃんと二人っきりなわけ。襲いたくなってるの、必死に押さえてるのに」
「あー……、えと、その……」

 二人の間に、妙な沈黙が流れたけれど、それを打ち破ったのは、古坂だった。

「おはようございます」
「あっ、おはようございます」

 あからさまにホッとした表情を浮かべた美哉を見た吟太も、同じように安堵していた。
 ここで邪魔が入らなければ、確実に襲っていた。それは美哉も望むところではなかっただろうし、吟太としても避けたいところだった。

「それで、吟太」
「ん?」
「今日は朝ごはん、なににするつもりだったの?」
「あー……。駅前のパン屋で買ってきたロールパンとバターロール」
「まさか、それだけ?」
「まさかもまさかで、それだけ」
「もうちょっと栄養を考えなさいよ!」

 美哉はそう言うと、冷蔵庫を開けて、物色を始めた。

「このレタス、いつ買ったの?」
「昨日。トマトと一緒に買った」
「トマトもあるのね。で、スライスチーズとハムは?」
「それは一昨日、たぶん、伊吹が買った」
「卵は……と、まだ大丈夫ね。バターもあるし……」
「おや、美哉さまが朝食を作ってくださるのですか」
「はい、そのつもりです」
「そうですか、それでは楽しみにしていますね。わたしは由臣さまの様子を確認してきますので」
「あ、古坂さん。由臣さんに、朝食を用意するから、できたら食べに来てって伝えてください」
「……かしこまりました」

 古坂はそれだけ言うと、小さく頭を下げて、キッチンから出て行った。

「それで、買って来たパンってどこにあるの?」
「あ、それならここに……」
/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ