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恋の行方を探してください【完結】
第11章 【十一話】由臣の偏食
そういう問題ではないんだけどな、と美哉は思ったけれど、一応、吟太なりに気遣ってくれたらしいので、笑みを返した。
途端。
吟太の顔が真っ赤になった。
「ちょ……、今、そこで笑うの、違反だよ!」
「え、なんで?」
「あのな……オレ、平静を保ってるけど、今、ここに美哉ちゃんと二人っきりなわけ。襲いたくなってるの、必死に押さえてるのに」
「あー……、えと、その……」
二人の間に、妙な沈黙が流れたけれど、それを打ち破ったのは、古坂だった。
「おはようございます」
「あっ、おはようございます」
あからさまにホッとした表情を浮かべた美哉を見た吟太も、同じように安堵していた。
ここで邪魔が入らなければ、確実に襲っていた。それは美哉も望むところではなかっただろうし、吟太としても避けたいところだった。
「それで、吟太」
「ん?」
「今日は朝ごはん、なににするつもりだったの?」
「あー……。駅前のパン屋で買ってきたロールパンとバターロール」
「まさか、それだけ?」
「まさかもまさかで、それだけ」
「もうちょっと栄養を考えなさいよ!」
美哉はそう言うと、冷蔵庫を開けて、物色を始めた。
「このレタス、いつ買ったの?」
「昨日。トマトと一緒に買った」
「トマトもあるのね。で、スライスチーズとハムは?」
「それは一昨日、たぶん、伊吹が買った」
「卵は……と、まだ大丈夫ね。バターもあるし……」
「おや、美哉さまが朝食を作ってくださるのですか」
「はい、そのつもりです」
「そうですか、それでは楽しみにしていますね。わたしは由臣さまの様子を確認してきますので」
「あ、古坂さん。由臣さんに、朝食を用意するから、できたら食べに来てって伝えてください」
「……かしこまりました」
古坂はそれだけ言うと、小さく頭を下げて、キッチンから出て行った。
「それで、買って来たパンってどこにあるの?」
「あ、それならここに……」
途端。
吟太の顔が真っ赤になった。
「ちょ……、今、そこで笑うの、違反だよ!」
「え、なんで?」
「あのな……オレ、平静を保ってるけど、今、ここに美哉ちゃんと二人っきりなわけ。襲いたくなってるの、必死に押さえてるのに」
「あー……、えと、その……」
二人の間に、妙な沈黙が流れたけれど、それを打ち破ったのは、古坂だった。
「おはようございます」
「あっ、おはようございます」
あからさまにホッとした表情を浮かべた美哉を見た吟太も、同じように安堵していた。
ここで邪魔が入らなければ、確実に襲っていた。それは美哉も望むところではなかっただろうし、吟太としても避けたいところだった。
「それで、吟太」
「ん?」
「今日は朝ごはん、なににするつもりだったの?」
「あー……。駅前のパン屋で買ってきたロールパンとバターロール」
「まさか、それだけ?」
「まさかもまさかで、それだけ」
「もうちょっと栄養を考えなさいよ!」
美哉はそう言うと、冷蔵庫を開けて、物色を始めた。
「このレタス、いつ買ったの?」
「昨日。トマトと一緒に買った」
「トマトもあるのね。で、スライスチーズとハムは?」
「それは一昨日、たぶん、伊吹が買った」
「卵は……と、まだ大丈夫ね。バターもあるし……」
「おや、美哉さまが朝食を作ってくださるのですか」
「はい、そのつもりです」
「そうですか、それでは楽しみにしていますね。わたしは由臣さまの様子を確認してきますので」
「あ、古坂さん。由臣さんに、朝食を用意するから、できたら食べに来てって伝えてください」
「……かしこまりました」
古坂はそれだけ言うと、小さく頭を下げて、キッチンから出て行った。
「それで、買って来たパンってどこにあるの?」
「あ、それならここに……」