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恋の行方を探してください【完結】
第11章 【十一話】由臣の偏食
御庭番立ちは、由臣が人が作ったご飯を食べている姿に、感動していた。
そして、三人が三人とも、これはなにがなんでも美哉を逃してはならない、と改めて思った。
「ごちそうさん。美味しかった」
「それならよかったです」
「オレもこんなに美味しいの、初めて食べた」
「そんな大げさな」
「いえいえ、大変、美味しゅうございました」
「古坂さんまで……」
「それでは、美哉、今日の打ち合わせをしたいから、部屋まで来てくれるか」
「え……あ、はい。でもその、片付け……」
「それは吟太とやっておくから、大丈夫」
とすっかり男性の格好の伊吹の言葉に、美哉は甘えることにした。
「それでは、よろしくお願いします」
それだけ告げると、美哉は由臣とともに五階へ向かった。
由臣の執務室に着いて、すぐに紙を渡された美哉は、首を傾げて由臣を見上げた。
「これは?」
「今日の午後から来る客の情報だ」
「……私が見てもいいんですか」
「俺の助手だろ? 見ないでどうする」
「あ……そう、ですよね」
「そこのソファに座って読むといい」
「はい」
座るように促されて、美哉はソファに腰掛けると、渡された資料をぱらぱらとめくった。
A4用紙に五枚ほどの報告書。
一枚目は、問合せメールフォームをプリントアウトしたもののようだ。
メールは、小早川食品の総務部に所属の高木小夜(たかぎ さよ)という人からだった。
「……へっ?」
件名は【捜査依頼】となっているのも驚きだったが、詳細の書き出しが、『恋の行方を探してください』とあり、思わず美哉は声を上げていた。
「なんですか、これ」
「やっぱりそこで驚くよな」
と由臣から返ってきて、変人と同じところに反応してしまった美哉は、かなりがっかりした。
「内容を全部読むと、もっと不可解だぞ」
「そうなんですか」
美哉は手元の書類に目を落とし、続きを読み始めた。
そして、三人が三人とも、これはなにがなんでも美哉を逃してはならない、と改めて思った。
「ごちそうさん。美味しかった」
「それならよかったです」
「オレもこんなに美味しいの、初めて食べた」
「そんな大げさな」
「いえいえ、大変、美味しゅうございました」
「古坂さんまで……」
「それでは、美哉、今日の打ち合わせをしたいから、部屋まで来てくれるか」
「え……あ、はい。でもその、片付け……」
「それは吟太とやっておくから、大丈夫」
とすっかり男性の格好の伊吹の言葉に、美哉は甘えることにした。
「それでは、よろしくお願いします」
それだけ告げると、美哉は由臣とともに五階へ向かった。
由臣の執務室に着いて、すぐに紙を渡された美哉は、首を傾げて由臣を見上げた。
「これは?」
「今日の午後から来る客の情報だ」
「……私が見てもいいんですか」
「俺の助手だろ? 見ないでどうする」
「あ……そう、ですよね」
「そこのソファに座って読むといい」
「はい」
座るように促されて、美哉はソファに腰掛けると、渡された資料をぱらぱらとめくった。
A4用紙に五枚ほどの報告書。
一枚目は、問合せメールフォームをプリントアウトしたもののようだ。
メールは、小早川食品の総務部に所属の高木小夜(たかぎ さよ)という人からだった。
「……へっ?」
件名は【捜査依頼】となっているのも驚きだったが、詳細の書き出しが、『恋の行方を探してください』とあり、思わず美哉は声を上げていた。
「なんですか、これ」
「やっぱりそこで驚くよな」
と由臣から返ってきて、変人と同じところに反応してしまった美哉は、かなりがっかりした。
「内容を全部読むと、もっと不可解だぞ」
「そうなんですか」
美哉は手元の書類に目を落とし、続きを読み始めた。