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恋の行方を探してください【完結】
第13章 【十三話】コードネーム:うさ耳ってなんですか
ここ、探偵事務所・若葉小屋は、五階建てだ。
一階は倉庫兼トレーニングルーム、二階が受付と応接間となっていて、三階は事務室で、四階と五階が居住空間になっている。
依頼人が十時に来るとのことだったので、美哉と由臣はその十分前に二階に降りて、待機していた。
この建物の敷地面積は、思っているよりも広いようだ。だからこそ、四階に三人が寝泊まりできるくらいなのだ。
とはいえ、二階は真ん中に壁があり、部屋が区切られている。入口側に受付があり、その後ろに衝立があって、いきなり応接間となっている。こんな変な作りでいいのかと思ったけれど、ここにはほぼ人が来ないし、来るとしても、予約制だし、簡単に入ることができないということなので、こういう作りでも問題ないとのこと。それでも、探偵事務所の応接という感じではない作りに違和感。
応接間には、茶色の革張りの座り心地のよさそうなソファと、茶色いローテーブルが置かれていた。大きな窓が外からの光を取り入れてくれていて、開放感あふれていた。もしかして、このためにこういう作りなのかもと思ったけれど、やはりなんだか落ち着かない。
そして、壁を隔てて隣にあるのは、来客に出すためだけにはもったいない大きめのキッチンと、上の階へ続く階段。ちなみに、扉には、『プライベートルーム』と書いてあったりする。
由臣とともに、なんだか落ち着かないなと受付に立っていたのだけど、美哉はふと、気がついたことがあった。
「あの、依頼者にお茶をお出しした方がいいですよね」
「あー、そうだな。俺、またミルクティ飲みたい」
「分かりました。それなら、準備してきますね」
「頼んだ」
受付から出て、プライベートルームと書かれた扉をくぐってキッチンを見たけれど、立派なものが用意されているのに、ヤカンもなにもないことに気がついた。
だから一度、プライベートルームを出て、受付にいる由臣の元へと戻った。
「どうした?」
「あそこのキッチン、なにもないので、四階からヤカンとカップと紅茶と牛乳を取ってきます」
「分かった。依頼者が来たら俺がとりあえず対応しておくから、お茶、よろしく」
「はい」
一階は倉庫兼トレーニングルーム、二階が受付と応接間となっていて、三階は事務室で、四階と五階が居住空間になっている。
依頼人が十時に来るとのことだったので、美哉と由臣はその十分前に二階に降りて、待機していた。
この建物の敷地面積は、思っているよりも広いようだ。だからこそ、四階に三人が寝泊まりできるくらいなのだ。
とはいえ、二階は真ん中に壁があり、部屋が区切られている。入口側に受付があり、その後ろに衝立があって、いきなり応接間となっている。こんな変な作りでいいのかと思ったけれど、ここにはほぼ人が来ないし、来るとしても、予約制だし、簡単に入ることができないということなので、こういう作りでも問題ないとのこと。それでも、探偵事務所の応接という感じではない作りに違和感。
応接間には、茶色の革張りの座り心地のよさそうなソファと、茶色いローテーブルが置かれていた。大きな窓が外からの光を取り入れてくれていて、開放感あふれていた。もしかして、このためにこういう作りなのかもと思ったけれど、やはりなんだか落ち着かない。
そして、壁を隔てて隣にあるのは、来客に出すためだけにはもったいない大きめのキッチンと、上の階へ続く階段。ちなみに、扉には、『プライベートルーム』と書いてあったりする。
由臣とともに、なんだか落ち着かないなと受付に立っていたのだけど、美哉はふと、気がついたことがあった。
「あの、依頼者にお茶をお出しした方がいいですよね」
「あー、そうだな。俺、またミルクティ飲みたい」
「分かりました。それなら、準備してきますね」
「頼んだ」
受付から出て、プライベートルームと書かれた扉をくぐってキッチンを見たけれど、立派なものが用意されているのに、ヤカンもなにもないことに気がついた。
だから一度、プライベートルームを出て、受付にいる由臣の元へと戻った。
「どうした?」
「あそこのキッチン、なにもないので、四階からヤカンとカップと紅茶と牛乳を取ってきます」
「分かった。依頼者が来たら俺がとりあえず対応しておくから、お茶、よろしく」
「はい」