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恋の行方を探してください【完結】
第14章 【十四話】身体から始まる恋ってありですか?
由臣の単刀直入な質問に、高木小夜はおもむろに口を開いた。
「それは……槇英太郎とわたしが結婚の約束をしていたからです」
「……え」
「意外でしたか?」
「いえ、そういうわけではないのですが……」
薄々そうなのかもという思いもあったけれど、伊吹の調査書によれば、高木小夜には彼氏がいるようだし、槇英太郎は素行が悪いということであったので、そこまではっきりとした関係性があったことに驚いたのだ。
「わたしと英太郎さんの出会いは、新入生歓迎会ででした」
「それはグループ会社全員が集められてやるパーティか?」
「そうです。英太郎さんが新入社員で入ってきたときは、小早川食品が幹事でして、総務部の人が中心になって開催しました」
「ほう? ということは、高木小夜さんはすでに社会人だったと?」
「はい」
調査報告書には年齢は書いてなかったから、新たな情報だ。
「歓迎会の後、休日に偶然、街で会ったんです」
「ふむ」
「その日は元彼と会っていないときで、英太郎さんから少しお茶をしないかと誘われたので、駅前のカフェでお茶をしました」
「お茶だけ?」
「はい。仕事の話を少ししたくらいで、特にそのときはなにもなかったです」
その後、また偶然、休みの日に外でばったりと会ったという。
「やはりそのときもわたし一人で、夕飯を食べに行かないかと誘われたので、断る理由もなかったので、行きました」
「そのときはおつきあいしている人は?」
「いましたけど、彼は休日出勤でした」
そこでふと、美哉は疑問に思ったことがあったので、口を開いた。
「彼氏がいても、違う男性と食事に行くのって、普通ですか?」
「どうでしょうか。嫌がる人もいると思いますけど、当時、つきあっていた彼は、あまりそういうことを気にする人ではなかったです」
とは言うけれど、美哉であればきっと、つきあっている人がいれば、誘われても断ったと思う。まあ、美哉の場合はそれ以前の話で、男性が近寄っただけで鳥肌が立つのだから、二人きりでなんて無理だし、それがなくてもきっと、断っていたと思う。
残念ながら、今まで一度もつき合ったことも、誘われたことがないので、そこは分からないのだけど。
「そのとき、彼氏と上手くいってなかったので、お酒のせいもあって、愚痴ったんです。年下だけど、落ち着いていたし、そのときは友だち感覚でした」
「それは……槇英太郎とわたしが結婚の約束をしていたからです」
「……え」
「意外でしたか?」
「いえ、そういうわけではないのですが……」
薄々そうなのかもという思いもあったけれど、伊吹の調査書によれば、高木小夜には彼氏がいるようだし、槇英太郎は素行が悪いということであったので、そこまではっきりとした関係性があったことに驚いたのだ。
「わたしと英太郎さんの出会いは、新入生歓迎会ででした」
「それはグループ会社全員が集められてやるパーティか?」
「そうです。英太郎さんが新入社員で入ってきたときは、小早川食品が幹事でして、総務部の人が中心になって開催しました」
「ほう? ということは、高木小夜さんはすでに社会人だったと?」
「はい」
調査報告書には年齢は書いてなかったから、新たな情報だ。
「歓迎会の後、休日に偶然、街で会ったんです」
「ふむ」
「その日は元彼と会っていないときで、英太郎さんから少しお茶をしないかと誘われたので、駅前のカフェでお茶をしました」
「お茶だけ?」
「はい。仕事の話を少ししたくらいで、特にそのときはなにもなかったです」
その後、また偶然、休みの日に外でばったりと会ったという。
「やはりそのときもわたし一人で、夕飯を食べに行かないかと誘われたので、断る理由もなかったので、行きました」
「そのときはおつきあいしている人は?」
「いましたけど、彼は休日出勤でした」
そこでふと、美哉は疑問に思ったことがあったので、口を開いた。
「彼氏がいても、違う男性と食事に行くのって、普通ですか?」
「どうでしょうか。嫌がる人もいると思いますけど、当時、つきあっていた彼は、あまりそういうことを気にする人ではなかったです」
とは言うけれど、美哉であればきっと、つきあっている人がいれば、誘われても断ったと思う。まあ、美哉の場合はそれ以前の話で、男性が近寄っただけで鳥肌が立つのだから、二人きりでなんて無理だし、それがなくてもきっと、断っていたと思う。
残念ながら、今まで一度もつき合ったことも、誘われたことがないので、そこは分からないのだけど。
「そのとき、彼氏と上手くいってなかったので、お酒のせいもあって、愚痴ったんです。年下だけど、落ち着いていたし、そのときは友だち感覚でした」