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恋の行方を探してください【完結】
第14章 【十四話】身体から始まる恋ってありですか?
 そして、やはり小夜が一人の時に限って、英太郎が声をかけてくることで、少しおかしいと気がつき始めたという。

「偶然が二度までならともかく、重なると、ちょっと変だなと思うようになったんです」
「…………」
「それで、思い切って聞いたんです」
「えっ」
「偶然にしては、できすぎですよねって。そうしたら、白状しました。一人でいるのを見計らって声をかけていたって」

 それはいわゆる、ストーカーですか? と思ったけれど、美哉は言葉にはしなかった。

「ちょっとストーカーチックですよね」

 ストーカーチックではなくて、それはまさしくストーカーではなかろうか。

「歓迎会の時に一目惚れしたから、どうにかして知り合うきっかけがほしかったと言ってました」

 一目惚れ、という単語に思わず美哉は由臣を見たが、うっすらと笑っているだけだった。

「それがいつ頃の話ですか」
「英太郎さんが入社して、一年経ったくらいです。その頃から、英太郎さんのよくない噂が流れるようになってきまして……」
「よくない噂?」
「はい。女性にだらしがないという噂でして」

 調査書に書かれていた話と一致していた。

「それは、本当に噂だけだったのですか」
「いえ、残念ながら、事実でした。でも、英太郎さんはわたしが言うのもなんですが、とても素敵で格好よくて、女性が放っておかないというか……」

 美哉はちらりと由臣を見た。
 英太郎を見たことがないので分からないが、由臣も見た目だけならイケメンの部類に入る。しかも小早川の三男ともなれば、こちらも女性が放っておかないのではないだろうか。

「来る物は拒まずで、次々に手を出していたようなのです」
「……最低」

 美哉は思わずぼそりと呟けば、由臣が小さくうなずいた。

「それって、高木さんを追いかけながら、同時並行の話ですよね」
「……はい」

 それはものすごく最低ではなかろうか。
 と美哉は思ったが、口にしなかった。

「最低ですよね。それにわたし、彼氏がいると告げました。それでもいいからつき合ってほしいなんて言ってきたんです」
「それは……」
「いくら彼と上手くいってなくても、まだ別れてませんでしたし、それよりも、英太郎さんが年下というのがとても引っかかっていまして」
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