この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋の行方を探してください【完結】
第15章 【十五話】不自然さがいっぱい
なるほどそれでおおっぴらに言える仲ではなかったのか、と美哉は理解した。が、美哉からしてみれば、ちょっとそれはありえなかった。
でもそこは、人それぞれではあるから、ありえない! と大きな声で否定する気にもならなかった。
「年下だとか、遊び人だとか、本当にどうでもなるくらい、わたしは英太郎さんにはまってしまいました」
そういいながら、赤い顔を上げた小夜は、ようやく、美哉が困った表情をしていることに気がついた。
「あ、わたしったら、ごめんなさい……!」
「え、いえ、その……そういう話、苦手で……すみません」
「いえ、こちらこそ、配慮が足りませんでした」
お互い、また、真っ赤になりながら謝った。
「それで、お二人は正式にお付き合いすることになった……と」
「はい。もうわたしも三十過ぎましたし、親からもそろそろ結婚を考えなさいと言われていたので……」
親がいたときにもそういう類の話をされたことがない美哉は、よく分からなかった。
「高木小夜さん」
「はい」
「槇英太郎さんと最後に会ったのは、いつですか」
二人が付き合い始めた経緯などが分かったところで、それまでずっと黙っていた由臣が口を開いた。
「え……あ、はい。先週の金曜日が最後です」
「金曜日の何時頃、別れましたか」
「時間ですか? 外で一緒に夕飯を食べて、英太郎さんはまだ仕事があるからと別れたのですが、確か二十一時頃だったと思います」
「ちなみにどこで食事をされましたか」
「場所ですか? 駅前のレストランです」
「店の名前は?」
「トラットリア・まるこぽぉろ、です」
でもそこは、人それぞれではあるから、ありえない! と大きな声で否定する気にもならなかった。
「年下だとか、遊び人だとか、本当にどうでもなるくらい、わたしは英太郎さんにはまってしまいました」
そういいながら、赤い顔を上げた小夜は、ようやく、美哉が困った表情をしていることに気がついた。
「あ、わたしったら、ごめんなさい……!」
「え、いえ、その……そういう話、苦手で……すみません」
「いえ、こちらこそ、配慮が足りませんでした」
お互い、また、真っ赤になりながら謝った。
「それで、お二人は正式にお付き合いすることになった……と」
「はい。もうわたしも三十過ぎましたし、親からもそろそろ結婚を考えなさいと言われていたので……」
親がいたときにもそういう類の話をされたことがない美哉は、よく分からなかった。
「高木小夜さん」
「はい」
「槇英太郎さんと最後に会ったのは、いつですか」
二人が付き合い始めた経緯などが分かったところで、それまでずっと黙っていた由臣が口を開いた。
「え……あ、はい。先週の金曜日が最後です」
「金曜日の何時頃、別れましたか」
「時間ですか? 外で一緒に夕飯を食べて、英太郎さんはまだ仕事があるからと別れたのですが、確か二十一時頃だったと思います」
「ちなみにどこで食事をされましたか」
「場所ですか? 駅前のレストランです」
「店の名前は?」
「トラットリア・まるこぽぉろ、です」