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恋の行方を探してください【完結】
第17章 【十七話】御庭番の十八番は脅し?
美哉の話を聞いた由臣は、目を細めて前をにらみつけた。
「なるほどな。あいつがやりそうなことだ」
「あいつって……?」
「弓月当麻に決まっているだろう」
「え? だからどうして弓月さんがまた出てくるんですか?」
「美哉、あいつと面識はないんだよな?」
「ないですよ。だからおかしいですよ」
「おかしくない。あいつはな、気に入った獲物は遠くからいたぶって、弱ったところをがぶりと食うんだ」
「えっ、弓月さんってそんな危ない人だったんですか?」
「危ないどころか、やばすぎて、近寄るな見るな危険レベルだ」
「…………」
気に入った獲物と言われたけれど、美哉は本当に当麻とはまったくといっていいほど面識がなかった。当麻はとても有名な人だったから、美哉が知っていても不思議はないけれど、美哉は本当にどこにでもいる一般人だ。向こうからしてみれば、モブの一人としか思っていないだろう。だからなにかの間違いだとしか思えない。
「由臣さん」
「なんだ」
「私のこと、過大評価し過ぎですよ」
「し過ぎてないぞ。なんたって俺のことをよく知っている。それはとても大切なことだぞ?」
「……変人の思考なんて、さっぱり分かりませんよ」
「俺は変人かもしれないが」
「認めるんですか」
「それは嫌というほど分かっている。でも、どうすることもできん」
開き直りとも聞こえる言葉であったけれど、ちらりと垣間見た由臣の抱える事情みたいなものを考えたら、それは仕方がないのかもしれない。
「さっき、俺のことを心配してくれた」
そう言って、由臣は美哉の頬を撫でた。
小夜と話している間中、氷のように冷たかった指先が、今は暑っ苦しいくらいだった。しかも美哉より少し高い体温の由臣が密着しているのもあり、暑くなってきた。
「由臣さん」
「なんだ」
「暑っ苦しいです」
「美哉への想いだ」
「私は情熱的な恋なんて要りませんから」
「美哉は相変わらずつれないなぁ。それが燃える……!」
「暑いから燃えないでください!」
「なるほどな。あいつがやりそうなことだ」
「あいつって……?」
「弓月当麻に決まっているだろう」
「え? だからどうして弓月さんがまた出てくるんですか?」
「美哉、あいつと面識はないんだよな?」
「ないですよ。だからおかしいですよ」
「おかしくない。あいつはな、気に入った獲物は遠くからいたぶって、弱ったところをがぶりと食うんだ」
「えっ、弓月さんってそんな危ない人だったんですか?」
「危ないどころか、やばすぎて、近寄るな見るな危険レベルだ」
「…………」
気に入った獲物と言われたけれど、美哉は本当に当麻とはまったくといっていいほど面識がなかった。当麻はとても有名な人だったから、美哉が知っていても不思議はないけれど、美哉は本当にどこにでもいる一般人だ。向こうからしてみれば、モブの一人としか思っていないだろう。だからなにかの間違いだとしか思えない。
「由臣さん」
「なんだ」
「私のこと、過大評価し過ぎですよ」
「し過ぎてないぞ。なんたって俺のことをよく知っている。それはとても大切なことだぞ?」
「……変人の思考なんて、さっぱり分かりませんよ」
「俺は変人かもしれないが」
「認めるんですか」
「それは嫌というほど分かっている。でも、どうすることもできん」
開き直りとも聞こえる言葉であったけれど、ちらりと垣間見た由臣の抱える事情みたいなものを考えたら、それは仕方がないのかもしれない。
「さっき、俺のことを心配してくれた」
そう言って、由臣は美哉の頬を撫でた。
小夜と話している間中、氷のように冷たかった指先が、今は暑っ苦しいくらいだった。しかも美哉より少し高い体温の由臣が密着しているのもあり、暑くなってきた。
「由臣さん」
「なんだ」
「暑っ苦しいです」
「美哉への想いだ」
「私は情熱的な恋なんて要りませんから」
「美哉は相変わらずつれないなぁ。それが燃える……!」
「暑いから燃えないでください!」