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恋の行方を探してください【完結】
第18章 【十八話】由臣の壊滅的なあだ名センス
そんな話をしていたら、あっという間に目的地である統括事務局へ着いた。
地下の駐車場に車を入れて、そのままエレベーターで一気に十階まであがった。
エレベーターが開くとそこは思ったより広い空間になっていたけれど、少し先に駅の自動改札のようなゲートが見えた。扉の部分は厚手の強化ガラスでできているからそれほど圧迫感はないけれど、それでも初めて見ると、かなり驚くものだった。
「ここが統括事務局」
「ゲートなんてあるの、初めて見ました」
「かもな。ここはランクAだ」
「ランクAって?」
「セキュリティレベルの話」
「厳重なんですね」
「あぁ。ここには個人情報の宝庫だからな。……といっても、最近はほとんど電子化されているから、ここでいくら物理的なゲートがあっても、ネットワーク越しにクラッキングされたらひとたまりもない」
「そこは……大丈夫ですよね?」
「優秀なスタッフをそろえているから三流くらいのヤツらには無理だろうが、さすがに世界屈指のが来たら無理だな」
「……怖いですね、それ」
「怖いが、備えてはいる」
そんなことを言いながら、由臣はスーツの内ポケットから薄紫色のカードを取り出すと、ゲート横にあるリーダーにかざした。すると、鈍い音を立ててガラス扉が開いた。
「美哉から先に通れ」
「え? はい」
言われるままに通行してガラス扉を通り過ぎると、すぐにぱたりと音を立てて閉まった。
「共連れ防止ですぐに閉まる」
「へー」
由臣はもう一度、カードをかざすとガラス扉が開き、こちらに来ることができた。
「俺のカードは基本、どこにでも入れる権限が付与されている」
「要するにチートカードですか」
「そうとも言う。美哉も同じ権限で作ってもらうように手配した」
「へっ?」
「当たり前だろう。小早川のナンバーツーだぞ?」
「…………」
美哉としては、そんなチートカード、要りませんと言いたかったけれど、それでもそれがなければこの先困るだろうから、言葉をのみ込んだ。
「さて。これから美哉専属になってもらう女性を紹介しようと思うんだが……。予定より早く着いたからか、まだロビーに出てきてないな」
その一言に、美哉が男性が苦手ということを考慮してくれていると分かって、困ってしまった。そういう気遣い、ありがたいけれど、どう受け止めればいいのか分からなくて、戸惑う。
地下の駐車場に車を入れて、そのままエレベーターで一気に十階まであがった。
エレベーターが開くとそこは思ったより広い空間になっていたけれど、少し先に駅の自動改札のようなゲートが見えた。扉の部分は厚手の強化ガラスでできているからそれほど圧迫感はないけれど、それでも初めて見ると、かなり驚くものだった。
「ここが統括事務局」
「ゲートなんてあるの、初めて見ました」
「かもな。ここはランクAだ」
「ランクAって?」
「セキュリティレベルの話」
「厳重なんですね」
「あぁ。ここには個人情報の宝庫だからな。……といっても、最近はほとんど電子化されているから、ここでいくら物理的なゲートがあっても、ネットワーク越しにクラッキングされたらひとたまりもない」
「そこは……大丈夫ですよね?」
「優秀なスタッフをそろえているから三流くらいのヤツらには無理だろうが、さすがに世界屈指のが来たら無理だな」
「……怖いですね、それ」
「怖いが、備えてはいる」
そんなことを言いながら、由臣はスーツの内ポケットから薄紫色のカードを取り出すと、ゲート横にあるリーダーにかざした。すると、鈍い音を立ててガラス扉が開いた。
「美哉から先に通れ」
「え? はい」
言われるままに通行してガラス扉を通り過ぎると、すぐにぱたりと音を立てて閉まった。
「共連れ防止ですぐに閉まる」
「へー」
由臣はもう一度、カードをかざすとガラス扉が開き、こちらに来ることができた。
「俺のカードは基本、どこにでも入れる権限が付与されている」
「要するにチートカードですか」
「そうとも言う。美哉も同じ権限で作ってもらうように手配した」
「へっ?」
「当たり前だろう。小早川のナンバーツーだぞ?」
「…………」
美哉としては、そんなチートカード、要りませんと言いたかったけれど、それでもそれがなければこの先困るだろうから、言葉をのみ込んだ。
「さて。これから美哉専属になってもらう女性を紹介しようと思うんだが……。予定より早く着いたからか、まだロビーに出てきてないな」
その一言に、美哉が男性が苦手ということを考慮してくれていると分かって、困ってしまった。そういう気遣い、ありがたいけれど、どう受け止めればいいのか分からなくて、戸惑う。