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古傷
第2章 第二章
彼とはそれ以来会うことは無かった。
会う予定も連絡も交換はしていないのだから当たり前なのだけれど

やく一ヶ月が過ぎようとしていたが、何故かまだ彼のことが胸の中で引っ掛かりを覚える

雨の中に消え入ってしまいそうなほど、影を落としていただからだろうか
それとも、自分に気持ちが揺らがなかっただから?
確かに珍しく相手を引っかけられなかったけど、それだけで腹を立てるほど子供でもない。

はぁ、やめやめ。
考えたって仕方のないこと、そんなことよりもこれからの合コンと言う名のお持ち帰り品定め会の商品にならないようにと考える方が先決だ

先日、仕事仲間のユリに合コンに呼ばれたのだった

本心は行きたく無かったけど、どうしてもと粘られたため仕方なくの参加。

「布美が居るのと居ないのとで男の気合いの入れ方も違うの!てか、来るって言っちゃったし。おねがーい。良い男も連れてくるからさ。」
と甘ったるい耳障りな声で頼まれたのだ。

まず、本人の出欠確認は先に済ませておくべきだし、散々男と寝といて、恋愛が目的でもないものに参加して何のメリットがと思ってしまう。
まぁ、奢っていただくのだろうからそれだけでも、メリットと言えばメリットだけど。

「はぁ、羽目外しすぎなきゃ良いんだけど」

酒が入るといつも複数人の男性と乱れる彼女のせいで、私にも危害が加わった事があるのは言うまでもない。

それでも断れない理由があるのだから、人間関係は厄介だ
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