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夏が来たら
第3章 静寂を破る者
「今晩、お礼にご馳走させてください。6時にこちらにお迎えに上がりますね。もちろんジョーくんも一緒に」


突然の秋生の誘いに、絢子の胸は乱された。


昨日まで老犬のジョーと共に仙人のような生活を送っていたというのに、ふいに魅力的な異性が現れて、静寂と退屈を鮮やかに破られてしまったのだから。


絢子は念入りにシャワーを浴び、普段は付けないコロンを付け、一番女性らしいと思うネイビーのワンピースを身に着けた。


自分の体温で立ち上るコロンが妙に艶かしく、頬を紅潮させた。


まさか出会ってすぐ深い仲になるとは思っていないけれど、絢子は男を意識して身ぎれいにする自分の淫らな部分に恥じ入った。
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